グラフィック制作で積み重ねた実績をもとに、デジタル領域、動画領域の拡大を進める東京アドデザイナース。2020年に創業60周年を迎えるにあたって、2018年を飛躍に向けた旗揚げの年と位置づけ、さまざまな挑戦に取り組む。
クリエイターの活躍の場を広げるために現場から上がった声
東京アドデザイナースは今年で58年目を迎える、総合クリエイティブカンパニーだ。グラフィックを主体にさまざまな制作を行ってきた同社は、現在グラフィックデザインのさらなるクオリティ向上とデジタル、動画など新たな領域拡大のための「クリエイティブの成長・進化」を目標に掲げ、社内改革に取り組んでいる。
社員一人ひとりと向き合い、個々のスキル向上のため「クリエイティブチャレンジ」と題した新しい取り組みを実施。所属部門に関係なく参加できる動画制作のワークショップなどを行い、グラフィックにとどまらないクリエイティブ力を醸成してきた。
同社の篠原茂樹社長は「社員一人ひとりと向き合ってみると、それぞれが持つ可能性や能力はまだまだ引き出せると感じました。クリエイティブチャレンジも、すぐに実戦の場で生かされています」と話す。また、部門の垣根を越えて交流することで、社内のコミュニケーション増加につながり、それぞれが持つ考えや知見を共有する機会にもなったという。
2018年からスタートするリブランディングプロジェクト「BRAND NEW」のきっかけもそこにある。このプロジェクトを篠原社長に提案した同社 アートディレクターの久保和仁さんは、「東京アドデザイナースはグラフィックデザインを中心に57年もの間制作を手がけてきたので、当社を『アナログな制作会社』だと思っている人はまだいるかもしれません。でも実際には、Web制作や動画、イベントプロモーションの実績も豊富にあります。それが十分に認識されていないことは、課題のひとつでした」と話す。
久保さんは日々の仕事の中で、自社のクリエイターの力が、もっといろんな領域で発揮できるはずと感じていたという。
リブランディングによって、社内活性化を促進させる
この「BRAND NEW」プロジェクトでは、社外PRだけでなく、社内の活性化にも力を入れている。「当社にはコピーライターとデザイナー合わせて約100名が在籍しています。デジタルが発展しWeb制作や動画などが増えている中、グラフィックの力を発揮できる領域を広げていくことが会社の役割だと考えています。また、Webクリエイターやカメラマンにも新しいチャレンジを期待しており、それらが社内で掛け合わせになると、アイデアや企画もさらに広がるはず。当社の目指すクリエイティブの進化につながると考えています」と篠原社長は言う。
「BRAND NEW」プロジェクトの一環として、初めての試みが動き出している。それは「全社員からのアイデア公募」。社内で一人ひとりが持っているクリエイティブ活性化施策やビジネスアイデア・企画をしっかりとくみ上げることが狙いだ。
さらに、「社内での人材交流」を加速させている。グラフィック部門のディレクターをWeb制作部門と兼任にすることで、社内で他分野との交流が生まれる仕組みを促進している。久保さんもその一人で、アートディレクターとしてWebチームにも参加している。「自分のアートディレクションが動画やWebサイトの仕事で生きることが多いし、Webチームからもらうシステム視点の意見で視野が広がり、非常に有効なんです」と久保さんは兼任の意義を語る。
若い力が新しい会社の将来をつくる
同社では、若い世代の積極的な起用も行っている。新卒採用で将来有望な人材の発掘はもちろん、伸び盛りの若手には早い段階からクライアントとの窓口を任せている。「若手クリエイターが一番伸びるのが、責任ある仕事を任された時です。自分たちが提案する企画に対して、直接クライアントから反応が返ってくることで、プロのクリエイターとしての責任を感じ、成長するのだと思います」(篠原社長)。
また若手には各種広告賞への挑戦も奨励しており、昨年は「新聞広告クリエーティブコンテスト」に同社 コピーライターの平澤佳子さん、デザイナーの野田智菜実さん、フォトグラファーの北川礼生さんの3名が取り組み、最優秀賞を獲得した。
同社が挑む「クリエイティブの成長・進化」は現場からの声も加わり、今後ますます具現化されていく予定だ。
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