4月10日、パッケージを新たにキリンレモンが生まれ変わった。キリングループの象徴でもある聖獣麒麟が使用され、リニューアルに伴った新たなコミュニケーションを展開している。
90年続くブランドのDNAは何か
キリンレモンは今年90周年を迎え、中味とパッケージの大幅なリニューアルを実施した。直近の約10年は家族や学生をターゲットにプロモーションを展開し、リニューアル前の青と黄色で全面を覆ったパッケージも高校生と共同開発したものだった。その結果「子どもっぽい」「ポップ」なイメージが先行し、最近の調査ではキリンレモンが本来持っていた「透明感」や「着色料不使用」など品質本位なブランドイメージが薄れてしまっていることが明らかになっていた。
「90周年を機にブランドの持つDNAを見直し、現代に合わせた形でアップデートしようと考えたのがきっかけです。まずは味覚について、甘さを控えめにフレーバーも本物のレモン果実に近づけました。パッケージは過去90年分を振り返ってみるなかで、初代のデザインに強く惹かれました。マス商品っぽくなくて、いい意味で現在のクラフトビールのような開発者の意思やこだわりが表れている感じで。そこから初代のパッケージをベースに、デザインの変更を検討していきました」とキリンビバレッジ マーケティング部の二宮倫子さんは話す。
依頼するデザイナーを探し、アートディレクターの村上雅士さんに相談した。初代をモチーフにする案も含めてフラットに意見をもらうと村上さんも同意してくれ、パッケージデザインのリバイバルが決定した。
いまの「キリンレモン」を感じる表現
商品のリニューアルに伴い、およそ10年ぶりのテレビCMにも取り組んでいる。メインコピーは「透明なままでゆけ。」。コミュニケーションを担当した博報堂のコピーライター 井手康喬さんは、「90年続くブランドということで、誰もが記憶の中に『思い出のシズル』のようなものを持っていると思います。それをブランドの代名詞でもある『キリン、レモン♪』のメロディで呼び起こすことを考えました …