「上司に恵まれなかったら オー人事 オー人事」。お馴染みのフレーズで知られるスタッフサービスのCMが20年の時を経て復活した。
変えない部分と変える部分を明確に
「私たちにとっては特別な思い入れのあるCM。いつかまたやりたいとずっと思ってきましたが、CM放映開始から20周年のタイミングで取り組むことにしました」とスタッフサービス・ホールディングス 広報部 ゼネラルマネージャーの森千晶さんは言う。
「オー人事」のCMは1997年から2004年まで約6年間シリーズ展開された同社の名物CM。上司と部下をめぐるありえないシチュエーション、チャイコフスキーの楽曲とお決まりのナレーション、最後は主人公がスタッフサービスに電話し安堵の表情を浮かべるオチで知られ、好感度の上位にもランクインする人気CMだった。
オリエンでは、「オー人事」の復活を前提に、「変える部分と変えない部分」を明確に伝えた。「変えない部分は、ミスマッチを面白く大げさに描くこと、楽曲、そしてナレーションといったフレーム。変える部分は働くシチュエーションです。この20年で働く環境は大きく変わったので、当時はなかったシーンを描きたいと伝えました」。
競合プレの結果、電通関西支社のチームが担当することになった。クリエイティブディレクターの鈴木契さんは、過去の同CM制作に若手プランナーとして参加しており、十数年ぶりに同シリーズを担当している。
「時代が違っても、働く職場でのミスマッチは変わらず存在している」という仮説でスタートしたが、炎上問題なども多い昨今、どう受け止められるのか懸念はあった。そこで、まずWebCMを世の中に出して反応を見ることにした。上司の行動を勝手にSNSにアップする部下を描いた「SNS部下」篇など5本を昨年10月にローンチし、好感触を得たことから、正月の新聞広告、テレビCM、ラジオCM、交通広告などオールメディアでの展開に踏み切った。
「オー人事の『攻める姿勢が好き』と言ってくださる声が多いんです …