業界よりも国が主導 増税対策プロモーション
近頃、デジタル関連のニュースが世間を騒がせている。例えば、7月10日配信の日経電子版によると、ネット通販の専門店のうち、利益を回収できたと答えた企業はわずか44.8%にすぎなかった。しかも赤字企業は、昨年から11ポイントも増加。記事によると、その背景には、ネット通販市場の競争激化があるという。
さらに、その2カ月後にはネット通販界の競争激化の象徴ともいえるZOZOがヤフーの子会社になったという衝撃のニュースが流れた。ネット通販市場では「アマゾン」「楽天」「ヤフー」3社による寡占市場化が確実に進行。もはやネット通販市場は、広々としたブルーオーシャン市場ではなくなったことを痛感させられた。
そしてその極め付きが、キャッシュレス化を促そうとする政府主導の増税対策プロモーションだ。周知のとおり、国は10月1日から、消費税を8%から10%に変更(軽減税率対象商品を除く)。
翻って、過去のプロモーション業界をみてみると、消費税の税率アップに伴い、毎度、大きなプロモーション施策を打っている。例えば、「駆け込み需要」あるいは「需要の落ち込み対策」が結構な仕事量になっていたのだ。
しかし、今回の増税はまったく様相が違う。キャッシュレス決済の推進策と需要落ち込み対策とをセットにして、政府がポイントを付与する。政府が民間にとってかわり、需要の落ち込み対策プロモーションを行っているのだ …
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