「日本のマーケターの集合知をつくる」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加企業も50社を超えている。定期的に開催している異業種のマーケターが集まる研究会の場で見えてきた、これからの日本のマーケティングが進むべき道とは。
事業モデルが違うほど、互いへの興味が生まれる
4月13日、16回目の「JAPAN CMO CLUB」研究会が開催になった。「JAPAN CMO CLUB」のCMOである加藤希尊氏は、研究会冒頭で「日本のマーケターの集合知をつくることを目的に設立した、本クラブも開始から約3年が経った。トップマーケターの方たちの参加を得て、マーケター同士の交流の輪を広げてくることができた」と、これまでの活動を振り返った。
今回の参加企業は雑貨ストア「Flying Tiger Copenhagen」を運営するZebraJapan。経済産業省創設「おもてなし規格認証 2017」★★(紺認証)を取得するなど、生徒に対する手厚いケアで支持を集める東京個別指導学院。インターネットテレビ局「Red Bull TV」など独自のコンテンツビジネスを展開するメディア事業と、さらにおなじみの飲料ビジネスを1ブランドの傘下に展開し、独自のブランド・コミュニケーション活動を展開する、レッドブル・ジャパンの3社の協力を得た。研究会中、参加者同士の質問が多く飛び交った。
議論の中で見えてきたのは、事業モデルが違えども3ブランドともお客さまはもちろん、従業員も惹きつける求心力があるという共通点だ。しかしブランドに対する熱狂や熱量は、一般の消費者には伝わりづらいもの。研究会ではこのような視点から、各社の戦略や課題が発表された。
熱狂に加えて、今回の研究会で出てきたキーワードのひとつが「『Occasion(オケージョン)』だ。
加藤氏は「オケージョンとは、あることが起きる適切なシーンのこと。ユニークで多様な雑貨を扱う、Flying Tiger Copenhagen、スポーツや音楽シーン、勉強・仕事の場など、人それぞれのパフォーマンスを発揮したい瞬間をサポートするエナジードリンクのレッドブル、子どもによって異なる学びたくなる瞬間を捉える必要のある東京個別指導学院と、ブランドマーケターは、自分たちの商品が生きる場面、オケージョンを理解している。
しかしそれが、なかなか消費者に伝わっていないことの課題も浮き彫りになってきた。マス・プロモーション一辺倒では、伝えきれない多様なオケージョンの提案。そこではデジタルテクノロジーの活用も欠かせないし、今後のマーケティングの大きなテーマになっていくのでは」と締めくくった。
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。 http://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)