ドイツに本社を置くクリエイティブ会社のsimpleshowは独自の「解説動画」手法を開発。現在9カ国10拠点に世界展開をし、多数のグローバルブランドを顧客に抱え、手がけた解説動画も8000本以上にのぼる。複雑な商品・サービスをわかりやすく伝えることに特化した「解説動画」はBtoB企業での活用も進んでいる。
※この記事は「宣伝会議」編集部編 実践・BtoBマーケティングより転載しています。
――国内外を問わず、simpleshowの「解説動画」が注目されている背景と、制作の特徴を教えてください。
BtoBマーケティングでは、専門的な知識や高度な理解力を必要とする、難易度の高いテーマが多くなるものです。すると、プロ同士のコミュニケーションだからこそ、陥りがちなトラブルも出てきます。時間と予算をかけて開発した製品やサービスは、すべてが「重要情報」ですが、話す相手が同じ考えとは限りません。
「なぜ自分にとって重要なのか?」「本当にすべてが必要な情報なのか?」プロ同士でも多くのすれ違いが発生しています。さらに1分1秒を争うビジネスの最前線で、長々と難しい話を聞かされては、プロでも苦痛に感じます。
simpleshowは解説の専門家なので、一方的な情報提供にならないよう、ターゲットに適切な情報の難易度や分量、そしてストーリーを、独自のフレームワークで分析しながら、常にわかりやすい「解説動画」になるよう制作していきます。
――日本のBtoB企業は、「解説動画」をどのような領域で活用しているのでしょうか。
日本では売上に直結する領域が多いですね。BtoBの営業や販促におけるコミュニケーションの主流は、まだカタログや、テキストと画像だけのWebです。ただ、そこに「解説動画」を組み合わせるだけで、ターゲットの意思決定プロセスは大きく改善され、効率のよい営業や販促が行えるようになります。その結果、時間や労力が削減され、新たなチャンスにつながるのです。
例えば医療業界では、忙しい医師に、短時間で製品情報をシンプルに伝えるツールとして活用されています。またITや金融など、形のないサービスを提供している業界でも、イラストとストーリーを用いた「解説動画」は、特に役に立っているようです。
――日本のBtoB企業が、どのような成果を「解説動画」で出しているのか、教えてください。
GEヘルスケア・ジャパン様のケースでは、新製品の解説にsimpleshowを活用いただきました。マーケティングオートメーションツールと組み合わせて、医師向けに動画を配信し、それまでのメールマガジンと比べ高いレスポンス率を得ました。また、とあるエネルギー関連企業では、30分かかっていた営業トークが3分の動画で済むようになり、初回の面談時から、従来は2回目の面談でしていたような営業提案ができるようになったという評価をいただいています。
――日本における「解説動画」の展望についてお聞かせください。
「解説動画」は、世界中のBtoBマーケティングに革命を起こしている、新しいコミュニケーション・インフラです。ただし、2008年 ドイツ創業のsimpleshowが日本にローンチするまで6年のタイムラグがあります。日本はドイツ同様、テクノロジーが進化し、社会が成熟した先進国です。私たちは「解説動画」のグローバルリーダーとして、質の高い「解説動画」を日本に根付かせたいと考えています。注目している用途は、欧米のグローバル企業が活用している、研修や教育などのインターナル・コミュニケーションです。日本企業が活用するようになるのも、時間の問題だと考えています。
<編集協力>
株式会社simpleshow Japan
http://simpleshow.com/jp/