生活者自身による情報の受発信が活発化し、消費行動は大きく変化しています。この変化に対応したこれからのマーケティングのあり方とは? インテージが考えるリサーチと、データを活用したコミュニケーションによるマーケティング変革の道筋を全7回にわたりレポート。第3回は、インテージシングルソースパネル「i-SSP」を活用した広告効果最適化支援のソリューションを紹介します。

通常、「広告効果最適化のためのシミュレーション」はレポート形式で提供しているが、6月にはテレビCMとWeb広告のリーチ状況をスピーディーに確認できるトラッキングツールの提供も開始した(写真左)。これにより、リーチとフリークエンシーについては、その場でトラッキングが可能となった。
スピーディーにリーチ状況をトラッキング
テレビを始めとしたマス広告とWeb広告を組み合わせたクロスメディア型のキャンペーンを展開する企業は多い。一方この裏で、その最適な配分に頭を悩ませている担当者も多い。インテージでは、そうした課題に応えるため、シングルソースパネル「i-SSP」をもとに、2013年5月より自社の広告がどのような人に、どのくらい見られたのか、さらには態度変容、購買までの効果を追跡して検証できるサービスを開始している。
同社の篠原正裕氏は「最初の相談は社内での広告投資の説明責任のために、実施するキャンペーンの効果測定をしたい」という形で来るケースが多いという。その後、結果レポートを見ると、例えば「コンバージョンの伸びが鈍化するフリークエンシー(広告接触頻度)が、担当者の経験値よりも低かった」など、これまでにない気付きを得られることも多く、検証結果を次のアクションに活かしたいと「広告効果最適化のためのシミュレーション」を始める企業が増えているという。
インテージならではの強みは、メディア接触から購買までを同一対象者から取得するシングルソースパネルデータを活用している点だ。まずは、各メディアの出稿増減に合わせたリーチ(広告接触率)とフリークエンシーのシミュレーションを、対象を個人ベースにまで落とし込んで反復計算を実施して、平均値を算出する。その結果と、統計モデルで導出する「フリークエンシー×広告効果関数」を組み合わせたシミュレーションを行い、最終的には出稿配分パターン別の「コンバージョン」まで予測できるようになっている。「個人ベースにまで分解できるので、どの粒度のセグメントでもシミュレーションが可能な柔軟性を評価いただいている」と篠原氏は話す。
また「i-SSP」ではテレビとWebのメディア接触データは、ログで取得していることから、今年6月にはレポート形式での提供だけでなく、企業担当者がリーチとフリークエンシーの状況をスピーディーに確認できる、テレビCM・Web広告のトラッキングツール『Campaign Tracker』の提供を開始した。
「広告活動も勘だけでなく、科学的なアプローチを取り入れるべきと考え、データドリブンの意思決定を実現したいと考える企業は増えている」と篠原氏。手軽に使える「Campaign Tracker」もフックに、宣伝担当者の日々の仕事を革新させる、データ活用の提案をしていきたいという。
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インテージ MCA事業本部 データサイエンス部 データ解析グループ 篠原正裕氏 |