紙とペンがあれば簡単に導入できるPOP。商品購入の一押しとなる定番ツールだが、いざ書こうとすると、筆が止まってしまう─。そんなあなたに「売れるPOP」づくりのノウハウを伝授。キャッチフレーズ5つの法則を覚えておけば、悩まず反応率のいいPOPが書けるはずだ。
通常よりも長くて大きい「男の箸」。キャッチフレーズは「家の中で男はひとり 女系家族のお父さんへ」。内容は「テーブルの片すみからでも おかずが取れる長~~ い箸」。このPOPで売り上げを伸ばした。
POPは効果があるのか?ないのか?
「POPを書けば売れる!」「パソコンで作ったモノより、手書きのほうが反応はいい!」なんてことを聞いて、書いてはみたものの、いくら書いても反応がない。「もうPOPはダメだ!」そう思っている方もいるのではないだろうか?でも、ハッキリ言うが「POPは最強の販促ツール!」ただし、書き方を間違わなければという補足付きだが。
これまでマーケティング・コンサルタントとして、1100軒以上の店舗や会社で実践を重ねた結果、反応の出るPOPには法則があることに気付いた。この法則を最近では新潟の温泉地活性化施策に活かした。数十の温泉旅館に集まってもらい、土産物売り場にPOPを付けると、どの旅館も客単価が20%以上アップする魔法のような結果が出たのだ。
ここでは、客単価を20%アップさせる「魔法のPOPの書き方」をお伝えしていくことにする。
売れるPOPの定義
商品名から書いてはいけない
反応の出るPOPを書く時のポイントは「商品名からアピールしない」こと。例えば、青森産のリンゴがあったとしよう。POPを書く時、
「青森産 リンゴ リンゴ農家 青木さんが作りました 1個200円」と書くよりも、
「甘さの秘訣は熟成期間にあった! あの青森のリンゴ農家 青木さんが作りました 一度食べたら忘れられない味 青木さんのリンゴ1個200円」と書くほうが、確実に反応がいい。
ポイントは、書く順番。商品名から書かずに、価格と一緒に最後に書く。つまり、
(1)商品名 (2)商品説明 (3)価格ではなく、
(1)キャッチフレーズ (2)内容 (3)商品名と価格、ということ(図1)。そのほうが確実に反応は上がる(理由は後ほど)。ちなみに、この順番で、新潟の松之山温泉の土産物屋さんに書いてもらったPOPが上の写真だ。「男の箸 630円」と書いても全く売れなかった商品が、今では毎月追加発注するくらい売れている。
温泉宿、小売店、土産物屋、飲食店など、この順番でPOPを書いてもらうだけで、客単価が増えたり、買上げ率がアップしたりして、平均すると客単価が20%ほど伸びている。書き方を変えるのにコストはかからない。基本を守り、ただやるだけ!魔法のPOP、ぜひ試してみてほしい。次は「キャッチフレーズの書き方」に触れる …