ブラックボードや黒板などに手書きし、店前に置いて集客する「店頭ボード」。店前を行き交う不特定多数の人に見てもらえるので、数秒前まで店を全く知らなかった人を、瞬時に顧客に変えることも可能だ。15万店以上の店頭ボードをリサーチしてきた中村心氏が、集客できる店頭ボードについて解説する。
一括制作する販促物よりも、温かみが出せて、各店らしさが演出できる店頭ボード。重要なのはデザインではなくメッセージだ。
チェーン店こそ店頭ボードを活用するべき
店頭ボード販促の代表的なメリットとして「低コスト・低ハードル」が挙げられる。ボード本体やペンなど、一式セットを揃えても1万円でお釣りがくるうえ、導入後は数百円の消耗品を買い替える程度で済むのでコストパフォーマンスが良い。また、店頭ボードづくりに最低限必要なスキルは、文字が書けることだけなので始めやすいのだ。そのためか、個人店が積極的に活用しているのが現状である。
しかし、実はチェーン店こそ、積極的に店頭ボードを活用するべきである。なぜなら、基本的に店頭ボードは各店の裁量で紹介する内容を決め、セールスコピーを考え、制作までを行うことになる。
そのため、本部が一括制作する従来販促物と比較すると、より目の前にいる一人のお客さまにフォーカスしたコピーが書けるので、心に響かせやすい。また、手書きならではの温かみが出せて、各店毎の“らしさ”が思い切り演出できる。本来チェーン店が持っている信頼性やブランド力に、個性を加えることができ、まさに鬼に金棒となりえるのだ。
「B・A・C」要素を押さえれば初心者でも書ける
「文字が書けること」と前述したものの …