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売れる店頭 2015

売れる店頭 新発想の演出・ディスプレイ

ハローデイ/Oisix CRAZY for VEGGY/IKEA/MaxMaraほか

足を踏み入れたくなる店と通過してしまう店。商品の購入を検討したくなるディスプレイと、眺めているだけのディスプレイ。そこにはどんな差があるのか。

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    店全体で賑わいのある演出
    ハローデイの店舗の様子。福岡県・香椎店のインストアベーカリーで、パンで作った「合格祈願」の看板を掲げた。そのほか龍や、天井に舞う缶ビールなど、愛らしいフェルトで作ったディスプレイは、販売スタッフが手作りしたもの。井堀店では、馬刺しをクリスマス用にパッケージ。魚の惣菜売り場の味のある手書きのPOPもスタッフによるもの。志免店のフルーツ売り場は、クリスマスシーズンに合わせ、煙突付きの家のイメージに。「上からのぞいてみてね」と親しみやすいPOPも付けた。

賑わい+拡散+安心感3つの売れるキーワード

たくさんの店舗が並ぶエリアを歩くとき、私たちは「どの店に入ってみようか」、と店舗の入り口付近のディスプレイを見比べながら歩いている。多数の店舗が入る商業施設において、どの店に入るかは気まぐれに近い。だが、店側は、つい比較されていることを忘れてしまいがちだ。

「まずは入店してもらわないと商売になりません。限られた店のスペースの中で、どれだけインパクトを残せるかがカギ。店演出の原点ですが、明るく、面白く、賑やかにして印象づける。無駄な買い物をしたくない人たちを振り向かせるには、こうした原点に戻らなければなりません。ポジティブなイメージが伝わってこない店で、サイフの紐は緩まない」。こう話すのは、販促コンサルタントの竹内謙礼氏。

賑やかな店舗演出の好例として竹内氏が挙げたのは、北九州市に本社をかまえるスーパーマーケットの「ハローデイ」。写真のように、売り場から竜が飛び出したり、ビール缶が空を飛んでいたりと、とにかく面白い。

重要なのは「店内の一カ所だけでなく、店全体が華やかで賑やかさがあること」と竹内氏。購買者は、どの売り場に行っても出会えるディスプレイを楽しみながら、店内を歩く。滞留時間が増え、商品を手に取る機会が増えれば、購入につながる確率が少しずつ上がっていく。

思わず写真に撮って、人に伝えたくなるディスプレイも有効だ。これまでイベント会場では、来場者にSNSで拡散してもらう「ネタ」を仕込む販促が積極的に行われてきたが、店舗内でも「撮影OK」と打ち出し、「拡散効果」を狙うところも出てきている。

「店舗によっては撮影してほしくない売り場もあるはず。そんな時は、記念撮影をしてもいいスペースを設けたり、販売スタッフがお客さまの写真を撮影してコミュニケーションをとったりするのもいい。『こんな面白いものを見つけたよ』とSNSで発信したい人たちのココロをくすぐることができる」(竹内氏)。また、スタッフが撮影した顧客の写真を店内に張り出せば、店内演出になるだけでなく「他の人も買っている安心感」を生み出せる。

「この店なら他の人も買っているし、安心して購入できそうだ」と顧客の警戒心が和らげる演出は、実は難しいことではない。「着物売り場などで『ご成約済み』と張り紙をして商品をディスプレイしているケースがあるが、それも安心感につながる」と竹内氏。「他の人も買っている安心感」「人に伝えたくなる仕掛け」そして「店全体の賑やかさ」。この3つは、今売れる店頭を考える上での欠かせない要素になっている。

    誰かに教えたくなる演出

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    写真OK、拡散効果に期待
      オイシックスが運営する食品スーパー「Oisix CRAZY for VEGGY アトレ吉祥寺店」は、「自由に写真をお撮り下さい」という表示とともに、トラクターや動物のオブジェなどをディスプレイ。

編集の仕方で店の個性は生み出せる

「顧客の期待を超えるワクワク感や、従来の流れと逆を行くような驚きがある、店がまとう世界観がにじみ出ている。こうした店の個性が伝わるディスプレイがお客さまを引き寄せる力になる」。こう話すのは『売上につながるディスプレイ』を上梓し、MDや販売研修なども行うヌマタデザイン・アソシエイツ代表の沼田明美氏。

国内のショッピングセンターが飽和状態になりつつあり、テナント数が500を超えるような巨大なSCもある昨今。こうした環境下で入店してもらうには、「店内の奥まで回遊させるディスプレイ」といった基本だけでは効かなくなってきた。「戦い方を変え、自店の個性を強く打ち出さなくてはいけない時期が到来している」と沼田氏は言う。

ディスプレイは、自店商品がもたらす価値を分かりやすく伝える重要な手段。だがモノ自体があふれ、商品の独自性が出しにくい今、店の個性をどう出せばいいのか。沼田氏は「商品の価値を本当に一つひとつ考え編集した陳列」に売れるヒントがあると見ている。

例えば寝具売り場。マットレスの違いを実際に体験できるように並べるのは百貨店などではよくある光景。しかし場所をとってたくさん並べられないのが難点でもある。一方IKEAでは …

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