日清シスコ/シスコーン「ちょいゆる朝食のすすめ。」
1963年に販売開始された日清シスコのシリアルブランド「シスコーン」は、発売60周年でブランドの価値を再定義し、子育てで多忙な親たち向けの交通広告を展開した。
子育て世代の共感を呼ぶ10種のコピー
日清シスコは5月1日から、大阪などの駅構内で「シスコーン」の広告「ちょいゆる朝食のすすめ。」を掲出した。「さぁ~がんばらないぞ、朝ごはん。」などの掛け声や、「炊飯器のスイッチを押し忘れた自分を呪いたい。」など子育て世代の共感を集める“あるある”など、計10種類のコピーが軸となっている。
「シスコーン」は子を持つ親が主なユーザー層で、従来は子どもに人気のタレントやコンテンツを中心としたキャンペーンを実施してきた。今回は、忙しい朝に悩む親の目線を組み込んだ内容だ。
キャンペーンを手がけたフロンテッジは、2018年から「シスコーン」の広告制作を担当している。コピーライターの山際良子さんは「プロジェクトは、発売から60周年の節目にこそ、根本的な役割に立ち返る必要があるのではないかといった議論を、クライアントとざっくばらんに交わすところから始まりました」と説明する。
チームでは、まず「シスコーン」ブランドが持つ価値の再定義に着手した。顧客視点でコンテンツ開発を行うプランナー陣が先導し、営業を含めチーム全員で持ち寄ったペルソナからカスタマージャーニーを策定。その価値を「朝の手間が減ること」と設定した。また、より詳細にターゲットが持つ課題を理解するため、独自の調査のほか、SNS上の声を拾ったり、知人へのインタビューを実施したりしてペルソナを具体化していった。
そのような掘り下げを重ねていく中でわかったのは・・・