2019年、リクルートのさまざまなデジタルプロダクトのデザインを統括し、クオリティを担保しつつ新たな価値を生む「デザインマネジメントユニット」が設立された。約60人のデザインディレクターが所属し、広告業界出身者も多数活躍している。
デザインの観点から横断的に価値を生む
デザインマネジメントユニットには現在、約60名のメンバーが「デザインディレクター」として所属する。広告業界出身のデザイナーやデジタル分野に強みを持つ人材など、8割が中途入社で多様なバックグラウンドを持つ社員が集まっている。組織を率いるのは、デザインファーム出身で2015年に入社した磯貝直紀さん。入社当時、リクルートのインハウスデザイナーは数名のみで各部署に点在しており、介在できない領域も多かった。そこでデザインのプロの観点から部署横断で事業に価値を生み出す「デザインディレクター」が集まる組織として、デザインマネジメントユニットを立ち上げた。
「リクルートは1980年代に亀倉雄策さんが取締役を務めるなど、伝統的にデザインに対する造詣の深い会社です。ただ、印刷媒体からデジタルプロダクト中心へと急速に事業を変革する中で部分最適が進み、ブランドとプロダクトが乖離していたり、UIコンポーネントがバラバラになっていたりと個別の課題が山積している状況でした。そこでデザインを統括し質を担保する、現在の僕らのような役割がより求められていたんです」。
同社におけるデザインディレクターとは高い不確実性をもった事業に対応する、プロフェッショナルな職能として定義される。フィロソフィーとして掲げるのは「動かすデザイン」だ。ビジネスとデザインを融合し、単に外形的なデザインをつくるだけでなく、事業にデザインを取り入れて推進する。つまり組織を動かし、その結果、社会や世界をより良い方向へ導く役割を果たそう、という志を共有している。
デザインディレクターが活躍する場面は多岐にわたる。「新規プロダクトの場合は上流工程から関わり、プロトタイピングなどを通じてサービス立ち上げに貢献します。既存プロダクトの場合はデザインポリシーやガイドラインを整理し、事業戦略や目標の達成に向けて並走しながら理想に近付けていく役割を果たします」。
磯貝さん自身も事業会社のデザイナーとして働く醍醐味は「本質的な価値創造に関わることができる」という点だと実感している。「元々は公共デザインを志向していたのですが、人々の生活に根付いたリクルートの多様な事業が生み出す価値は、ある意味で公共デザインそのもの。インハウスだからこそ仕事の裁量も大きい」と話す。
まだまだ社内にはデザインが行き届いていない領域があると感じており、常時デザイナーを募集中だ。「“動かすデザイン”という志に共感できる人、デザインという手段ではなく事業の目的自体にコミットしたいと考えている人には活躍できるポストを用意できるはず」(磯貝さん)といい、近い将来、さらなる増員を見据えている。
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