「THE FIRST TAKE STAGE」とのコラボレーションを実施した富士フイルム。人気のプラットフォームと組む形で「instax mini 40」を訴求するにあたり、スペシャルムービーの制作段階でどのような点にこだわりを見せたのか。
互いの世界観やブランドを活かした 新たな共創コンテンツへの挑戦
今回、富士フイルム「instax mini 40」と「THE FIRST TAKE」のコラボレーションによって制作されたのが、「THE FIRST TAKE STAGE」でグランプリを受賞したシンガーソングライター 麗奈さんのリアルな姿や心情を追ったスペシャルムービーだ。
音楽とチェキフィルムの“一発撮り”を共通項としてスタートした本プロジェクト。「instax」ブランドを統括する富士フイルム イメージングソリューション事業部 コンシューマーイメージンググループ 統括マネージャー 高井隆一郎さんは、完成した映像を見て「THE FIRST TAKEとinstaxの世界観が非常にマッチしている」と改めて実感したという。
「スマホで何度も写真を撮って加工できる今の時代に、“1回しか撮れない”というinstaxの価値を重ねて演出することができました。なおかつ麗奈さんにinstaxを使ってもらうことで、感性を研ぎ澄まして一瞬を切り取るセンスを表現できるアイテムであるということが伝わったのではないかと思います」(高井さん)。
このムービーは特設サイトやinstaxのSNS公式アカウント(Instagram/Twitter)で公開されたほか、8月中旬には全国のイオンシネマ95劇場で放映された。さらに東京メトロ全10駅のデジタルサイネージでも6月下旬から8月下旬にかけて、2種類のコンテンツを展開した。
「じっくりと視聴してもらえるシネアドは世界観に自然に入っていくことができて、上質なブランド体験になったと思います。一方で、通りすがりに目にするデジタルサイネージでは視聴スタイルが全く異なる。誰でも一目で『THE FIRST TAKE』だとわかるビジュアルによって短い広告の中でも共通するコンセプトをしっかりと伝え、instaxブランドが一発撮りのコンセプトに共鳴している姿勢が伝わるように、という前提で編集をしています」(宣伝部 マネージャー 原雄二郎さん)。
instaxブランドでは近年、カメラそのものではなく「フィルム」による価値訴求に焦点を当てている。「特にZ世代はモノの所有から、体験そのものや、そこから得られる満足感に価値がシフトしています。しかも“リアル”や“一瞬”の切り取り方、見せ方にもこだわりがある世代。この中で、instaxのフィルムを通してどのようなストーリーを伝えられるかが課題でした」と高井さん。
instaxブランドでは2021年から、自分の考えや想いをさまざまな表現方法で発信し、新しい価値観でクリエイティビティを発揮している世界の表現者たちを紹介するコンテンツ「give squad」も展開しており、音楽の分野と親和性が高いことも決め手となった。
一方で今回のコラボレーションの実現にあたっては「主役はあくまでTHE FIRST TAKEに出演するアーティスト。その世界観を壊すことがないように」(宣伝部 原尚子さん)という前提のもと、instax mini 40がアーティストの活動をどのようにサポートできるか、という視点を大事にした。従来の製品の機能を中心とした訴求にはこだわらず、すべてのアウトプットで“一発撮り”の価値を伝えることに徹したからこそ実現した。
シネアド公開後には富士フイルムでブランドリフト調査を実施。シネアドCMを認知している人が約9割と非常に高く、おしゃれ、クリエイティブ、ファッション性が高いなど、チェキの新しいイメージアップにつながったという結果が出ており、手応えを感じている。
「ブランド接点の拡大にあたっては、テーマに共感できるようなパートナーとの出会いが重要だと考えています。THE FIRST TAKEとのプロジェクトは、いかにも“広告”然としたコンテンツにしたくないという思いも共通していた点は大きい。チェキを愛用してくださるアーティストやクリエイターの方も増えているので、ブランド同士の親和性が高いパートナーとのコラボレーションを今後も進めていきたいです」(高井さん)。
「“チェキ”instax mini 40 × THE FIRST TAKE STAGE」スペシャルサイトを公開中。