窓というシャッターを通して見る風景

mount FUJI 1/36 ©Takashi Homma courtesy of TARO NASU
ホンマタカシ「Various camera obscura studies- inprogress」
写真家 ホンマタカシの窓とカメラオブスキュラへの関心をテーマとする展覧会が、TARO NASUで開催中だ。
カメラオブスキュラとは、ラテン語で暗い部屋を意味する。壁の穴から部屋に入り込む太陽光が、穴の反対側の壁に屋外のイメージを逆さまに映し出す仕組みを応用したのがピンホールカメラである。ホンマはカメラオブスキュラへの関心を持ち始めた2013年から、さまざまなシチュエーションで作品を制作。建物の一部屋をピンホールカメラとし、建物の窓をシャッターレンズとした『Pinhole』シリーズを撮影してきた。ホンマは、『Pinhole』シリーズを「都市で都市を撮る」シリーズだと述べている。そのシャッターは窓。窓は外と内、公と私を分ける境界線であり、かつ世界を捉えるフレームとなるものである。窓辺は、ホンマの作品群の中で頻繁に撮影されている対象でもある。表現や手法は異なるが、窓を通して覗かれる風景は、「写真とは何か」ということを私たちに問いかけてくる。
ホンマタカシ「Various camera obscura studies - inprogress」 | |
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開催中、12月24日まで。 |
ホンマタカシによるドキュメンタリー映画

『After 10 years』(2016年)

『きわめてよいふうけい』(2004年)

『最初にカケスがやってくる』(2016年)
©Takashi Homma New Documentary 制作:between the books 配給協力・宣伝:mejiro films
ホンマタカシ「ニュードキュメンタリー」
ホンマタカシが写真活動と並行して制作してきたドキュメンタリー映画が、渋谷シアター・イメージフォーラムで12月10日より限定上映される。
本特集では、ホンマ初の長編ドキュメンタリーをはじめ、これまで美術館やギャラリーなどでインスタレーションとして発表した4作品を「ニュードキュメンタリー」と題し、上映する。2004年12月スマトラ島沖地震の津波によって、甚大な被害に遭ったリゾートホテルの10周年追悼式典までの1週間を追った『After 10 years』。そして8年をかけ、知床のエゾジカ猟を取材・撮影した作品『最初にカケスがやってくる』。本作品は68分バージョンと一回上映の225分バージョンがある。また、演出家であり美術家の飴屋法水の演劇をとらえた『あなたは、あたしといて幸せですか?』。2004年に公開された、写真家・中平卓馬の日常を切り取った『きわめてよいふうけい』は、追加ショットを加え新バージョンで上映する。写真作品とは違うホンマの視点に注目したい。
ホンマタカシ ニュードキュメンタリー映画 特集上映 | |
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12月10日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開12月10日~16日 |
作品と身体の間に生まれる関係とは?

アンヌ・ロール・サクリスト Photo:N. Pfeiffer | Courtesy of the artist

アンヌ・ロール・サクリスト …