情報性・表現性の検証から写真メディアの既成概念を変える
トーマス・ルフ展
ドイツ現代写真においてベッヒャー派の代表として知られるトーマス・ルフの作品展が東京国立近代美術館で開催中だ。
ルフは友人たちの肖像を巨大なサイズに引き伸ばしたポートレート作品で大きな注目を集め、建築、都市風景、ヌード、天体など多様かつ明確なコンセプトに基づくシリーズを展開。1990 年代以降はデジタル処理を導入し、インターネット上の画像にマニュピレーションを加えたり探査機が撮影した火星などの天文写真に加工を施すな構築を試みている。また、新しい写真表現を追求することで写真に対する既成概念を揺さぶり、現代人をとりまく世界の様相にユニークなビジョンを提示してきた。
東京会場ではルフ自身が作品の選択・構成に参加し、世界初公開となる作品を含む最新作「press++」シリーズを含む約125点が展示される。
トーマス・ルフ展 | |
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開催中~11 月13 日まで。 東京国立近代美術館 10時~17時 (毎週金曜日は20時まで。入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(ただし9月19 日、10月10日は開館し、9月20日、10月11日は休館。) 観覧料:一般1600円、大学生1200円、高校生800円 ※12月10日より金沢21世紀美術館にて開催。 |
小金沢健人展「煙のゆくえ」
小金沢は武蔵野美術大学映像学科卒業後にドイツへ渡り、映像、ドローイング、インスタレーションなど多様な表現で作品を発表している。日頃見過ごしてしまう些細な出来事や風景の一瞬の動きや変化をとらえ、独特のリズムと豊かな色彩で表現された作品群は新たな気づきを与えてくれる。
本展では粘土のオブジェがそれぞれの速度 ...