海の無残な現実と創作者のつくる幻想的な世界

撮影:大平あさき

撮影:ヨーガン レール
On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ
衣服、テキスタイル、ジュエリーなどをデザインし、その自然素材をいかした製品が高く評価されたヨーガン レール。そのクリエイションの1つであるランプと写真を展示する「On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ」が開催中だ。
ヨーガン レールは1966年に初来日。以来、70年代はじめには日本に居を構え、日本やアジアの素材、技術を生かしたものづくりを続けてきた。その後、農園と住まいを沖縄、石垣島につくったヨーガン レールは際限なく海辺に打ち寄せるゴミに悲しみと憤りを感じ、ほどなく自分で拾い集めたプラスティックゴミをまた使えるものにしようとランプをつくりはじめたのである。
本展ではこのランプを中心に、ヨーガン自身が撮影した沖縄の浜辺の写真など約190点を展示。2枚で組み合わされた写真は、同じ場所から撮られた海辺の光景で、かつての美しかった姿と現状のゴミの散乱する状態を映しだしている。海の無残な現実と創作者のつくる幻想的な世界のギャップを私たちは体感することになる。
On the Beach ヨーガン レール 海からのメッセージ | |
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開催中、2017年2月5日まで。 |
「食べる」ことをアートの観点から見る

岩間朝子《non-visible》2013年 北京/中国 デリク・ヲングとのコラボレーション 撮影:Derrick Wang
フードスケープ 私たちは食べものでできている
私たちの普段の食卓に並ぶ「食べもの」の未来を社会、自然、宗教、科学などのさまざまなテーマを通じて考える「フードスケープ 私たちは食べものでできている」が開催中だ。本展は、「服の記憶-私の服は誰のもの?」、「ここに棲む-地域社会へのまなざし」に続く、アーツ前橋の「衣・食・住」をテーマとした第3弾となる。
参加作家は岩間朝子、ジル・スタッサール、中山晴奈、南風食堂、風景と食設計室ホー、フェルナンド・ガルシア・ドリー、マシュー・ムーア、ワプケ・フェーンストラという8組。そのうち4組の海外のアーティストは前橋の食と農業について、緻密に事前リサーチをして作品を制作している。それに加えて …