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2016年度ACC賞グランプリ、au、END ALS、きよら、小林市に決定

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ACC賞各部門入賞作品決定

2016 56th ACC CM FESTIVAL

全日本シーエム放送連盟(略称:ACC)は、「201656thACCCMFESTIVAL」フィルム部門、ラジオCM部門、マーケティング・エフェクティブネス部門、インタラクティブ部門の入賞作品を発表した。

フィルム部門Aカテゴリー(テレビCM)のグランプリに選ばれたのは、KDDI auの「auガラホ海の声」篇他12篇。Bカテゴリー(オンラインフィルム)のグランプリに選ばれたのは、一般社団法人END ALSのEND ALS「I’M STILL」。

審査委員長古川裕也さんは次のように講評を述べている。「Aカテゴリー(テレビCM)については、例えば昨年のグランプリ(東海テレビ放送 戦争を、考えつづける。シリーズ)のように、まだあまり知られていない傑作を発見するのも賞の仕事であり、世の中が先行して評価したものを、どこかのタイミングでグランプリとして遇するのもまた、賞の仕事である。今年は後者だった。グランプリは圧倒的多数ですんなりと決まった。受賞作は、ゴールドだった昨年より明らかに進化していた」。

Bカテゴリー(オンラインフィルム)のEND ALS「I’M STILL」は、国指定の難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者である藤田正裕さんが、ALSという残酷な疾病の認知・理解促進を目的として、本人自らが絵画モデルを務めた写生イベント『I’M STILL』のドキュメンタリー動画。Bカテゴリーについて、古川さんは「2年目の今年は、応募数の増加だけではなく、ずいぶん豊穣な作品群になった。クオリティとダイバーシティである。フィルムという表現形式の、まだ立ち現れていない多様な可能性を感じさせるものだった。なにより貴重なのは、今までにできなかった『Something New』をなんとか創りだそうという健全な野心だと思う。グランプリ受賞作は、フィルム・クリエイションの領域を明らかに拡張した」と述べている。

ラジオCM部門グランプリは、大日本除虫菊の蚊がいなくなるスプレー、キンチョール、プレシャワー「その1」「その2」「その3」。高山さんと大沢くんという少年、少女の、10代ならではの微妙な会話劇が描かれている。

審査委員長澤本嘉光さんは「グランプリは圧倒的な原稿力、演技力が放送時にネットでも話題になっていた作品。これが選ばれたことに代表されるように、今やラジオCMはただ流すだけではなく、コンテンツとしてネットで拡散する時代になったことの象徴になってきています。動画の表現の基本は、実は音声。ラジオCMを追求することがきっと動画の表現の向上、教育に役に立つはず」と講評を述べた。また、ラジオそのもの、そしてラジオCMの制作に若い人たちの関心が戻ってきているため、今年の審査会では審査員が若い意見をきちんと吸い上げていくことを重視。審査員として、ラジオ番組に出演している橋本奈々未さんにも参加してもらった。

ME(マーケティング・エフェクティブネス部門)のグランプリは、アキタ「きよらのたまご」キャンペーン。スーパーでコモディティ化した商品である「卵」を新たにブランディングし、「定価で指名買いしてもらう」ことを目的に行われたキャンペーンである。「女性の心をつかむエッジの効いたクリエイティブアイデアと、テレビCMとクックパッドの展開を絶妙に掛け算することで、熾烈な価格競争が繰り広げられる卵売り場で、瞬間風速でなく『継続的に』指名買いを実現し、大幅な売り上げ増につなげたことが高評価となった」と、審査委員長土橋代幸さん。

インタラクティブ部門グランプリは、宮崎県小林市移住促進PR「ンダモシタン小林」。審査委員長須田和博さんは今年、「今までの広告の形をしていないモノを探したい」というテーマを掲げ、14のカテゴリー賞も設けた。「ンダモシタン小林は、満票でグランプリを獲得。規模ではない知恵のアプローチ、フィルムとしてのウェルメイドながら、YouTubeという再生環境を仕掛けとして取り込んでいる見事さなどが、全審査委員一致推挙の理由である」と話した。

CMの企画力、アイデアのチカラを持つ「若手制作者個人」へエールを送るべく …

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