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世界が注目する造形作家が初めて挑戦したブロンズ像

大阪芸術大学

映画「シン・ゴジラ」の雛型の制作、「進撃の巨人」実写版の巨人のデザイン、海洋堂の人気シリーズ「リボルテックタケヤ」などで知られる造形家竹谷隆之さん。国内外で注目される竹谷さんが大阪芸術大学スカイキャンパスで開催された展覧会で公開したのが、自身初となる金属立像「創作神 マクタカムイ」だ。

大阪芸術大学スカイキャンパスで披露された「創作神 マクタカムイ」。企画・プロデュース/岡部淳也、製作/ブラスト©BLAST Inc. ©竹谷隆之

展覧会の様子。初日には海外から訪れたファンもいた。

「創作神 マクタカムイ」は高さ約650mm、ブロンズ製の立像だ。眼窩より上の顔がなく、複数の手を持つ。体全体に造形作家竹谷隆之さんの得意とする縄文的な文様をはじめ、独創的なデザインがふんだんに盛り込まれている。この立像は、大阪芸術大学との縁がきっかけで制作されたものだ。

「マクタカムイ」とは、アイヌ語で「奥の方にいる神」。つまり「古代神」を意味する。美術や音楽などの総合芸術大学である大阪芸術大学に置かれる像として、どんなものがふさわしいか――。竹谷さんは自身が美術を学んでいたときに何が大事だったかを思い返しながら、「創作・創造を司る者」をテーマに制作を始めた。「芸術を学ぶ人には、この世のさまざまな現象を観察し、分析し、理解しようという基本姿勢があります。その姿勢は、この世のさまざまな現象を司る自然神の在り方と重なるところがあると感じたことが、この像のテーマにつながりました。自然は人に安らぎなどを与えるだけではなく、ときには人を脅かす存在にもなる。見る角度によって、同じものであっても違う側面が見えてくる。そういう多面性を感じてもらうことも、ものづくりに携わる人たちにとって大事なことではないかと考えました」。

竹谷さんの発想の原点は、生まれ故郷である北海道・積丹町にある。「漁師である父は冬になると狩猟もしていたので、僕は小さい頃から野生の動物の死を間近に見ながら育ちました。そんな田舎に住んでいたものだから、東京に出たときに、あまりの違いに驚いてしまって…」。

東京で美術を学び、造形の道に進んだ後、依頼を受けてつくるものとは別に、自分が本当につくりたいものを追求していた。その中で、自分の原点にあるものこそ形にしていくべきではないかと思い至る。そして、1999年にオリジナル造形集『漁師の角度』を出版した(2013年に同書完全増補改訂版を講談社より出版)。漁師を主人公とする物語と立体造形物の写真で綴られる、竹谷さんならではの作品集だ。一般的なアニメや映画のロジックを使わず、自然を観察し、自然と向き合うことなど、自分の原点にあるものだけを形にしたという。「マクタカムイにも自然との向き合い方を自分なりに込めているんです。でも、それを押し付けたいわけではなく、この像を見た人がそれぞれ何か感じてもらえれば。そこで感じたことをその人自身のプラスになるように変換していってもらえたら、うれしいですね」。

展覧会終了後、マクタカムイは大阪芸術大学構内に常設展示される。

編集協力/大阪芸術大学

造形作家 
竹谷隆之(たけや・たかゆき)

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