自分自身の常識や殻を破り続け、他者と対話することをあきらめない
私はコピーをつくるとき、生活者に共感や納得を生む言葉を見つけることはもちろんなのですが、そのためにも「何のためにそのブランドが存在するのか?」について、関わる人の熱が伝わる想いや声を聞くことを大切にしています。そして、その結実であるファクトの部分を集め、掘り下げることにも力を入れています。その上で、生活者に関心を持ってもらうための時代性と普遍性も意識しながらコピーを考えています。
☑いきなりコピーを書き出さずに、広告の目的は何か真の課題を探る。
☑「商品」「人」「世の中」をいろんなアングルで切り取る。
☑商品と人をつなぐ価値を見つける。
今年も「宣伝会議賞」の課題が発表されました。誰よりも早く取り組んで成果を上げようと意気込んでいるあなた、ちょっと待ってください。コピーをうまく書くためには、すぐに書き始めるのではなく、最初にしっかりと考える必要があるんです。
そもそも、コピーを書くって何をすることでしょう?私は、まだみんなに知られていない、気付かれていない、商品やサービスの「価値(良いところ)」を見つけ、伝えることだと思います。
その商品やサービスが必要な人がいるのに、それが届いていないなんてもったいなくないですか?そもそもわたしがコピーライターになったきっかけは、大学で専攻していたバイオエシックス(生命倫理)が当時の日本で知られていなかったことでした。
本当は必要としている人がいるのに、気付かれず見向きもされていない考え方や、商品・サービスが世界にはたくさんある。そういうものを伝えて、人を動かす広告に興味を持ったのです。申し遅れましたが、東急エージェンシーの堀内有為子と言います。コピーライターとして先輩からの教えや体験から学び取った、自分なりのコピーを書く手順をご紹介します。
コピーの目的は、商品の魅力を知ってもらい、買ってもらい、好きになってもらうこと。オリエンテーションでは、それらのどこに課題があるのかに耳を澄ませます。そして、身近な商品の場合は、食品なら食べてみる!日用品なら使ってみる!まず、自分がその商品の魅力を感じることから始めます。
その他にも、周りの人に話を聞いたり、売り場に行ってどんな人が興味を持っているのか観察したりします。売り場には競合商品も並んでいるので、実際にお金を払って選んでみるとまた感覚が変わったりします。オリエンを疑ったっていいのです。
インターネットでも売り場の写真を見ることができたり...