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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

あたらしくて面白いものを言葉でかたどるプロセス

綿野 賢氏(LQVE)

    アイデアを言葉にするときの極意

    ☑書き出す。定まるまで。

    ☑書き出す。見つけるまで。

    ☑書き出す。輝くまで。

鮮やかに紡がれた言葉はあらゆるビジネスシーンで使える

世界80億人の『宣伝会議』読者の皆さま、はじめまして。LQVEプランナーの綿野と申します。「問いから愛を生み出そう」を信条に、さまざまな企業やブランド、アーティストの方々と一緒に、愛されるものをつくっています。先日、外国語教室のECCさんと一緒に取り組んだ「Dramatic Phrases」というキャンペーンがTCC賞をいただいたご縁で、「アイデアを言葉にするコツや思考法」を言葉にするオファーを頂戴しました。

「普段アイデアを考えているけど、どうやって考えていけばわからない人」に向けて、私がアイデアを言葉にしていく順序を紹介します。

さらに言えば、端正に鮮やかに紡がれた言葉は、日夜アイデアを考える人だけでなく、資料制作やプレゼンなどあらゆるビジネスシーンで使うことができます。そんな業務に取り組む方々にも、このページが有益なものになることを願っています。

良いアイデアとは「驚きのある正解」である

「良いアイデア」と呼ばれるものは、一体どんな存在でしょうか。私は「驚きのある正解」だと考えています。正しいこと、間違っていないことは正直なところ、少し勉強をすれば導き出せると思います。しかし、正しいだけでは世の中の人は誰も興味を持ってくれません。もちろん、プレゼンを聞く担当者も。ですから私たちは、正しさに加えて何か感情を揺さぶる驚きを設計する必要があります。

まわりを見渡してみると、不思議なことに多くの広告が「正しさ」だけでつくられていることに気が付きます。果たしてそのアイデアは、可愛いネコの写真やゴシップニュースより興味を抱いてもらえるでしょうか。印象に残るでしょうか。私は難しいと思います。だからこそ、この情報の溢れた現代で、触れた人が驚き納得するようなアイデアは、ますます必要になると考えています。

アイデアの伸びしろを決める 課題に応えるゴールの設定

それでは、アイデアを言葉にしていくプロセスを3つに分けて説明します。ひとつ目は「アイデアで達成したいことを定める」です。私たちの仕事には概ね「オリエンテーション」と呼ばれるものがあります。現状と希望の詰まったこの情報を、一度自分が腑に落ちるよう白紙の紙に書き出していきます。

どんな製品か、どんなブランドか。ターゲットは誰で、課題は何か。全体像を把握できるようさまざまな...

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