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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

プラットフォーム別 SNSの最新クリエイティブ潮流

久木田愛理氏(BOKURA)

    SNSの極意

    ☑大切なのは「トレンドを追う」ことではなく、「コミュニケーションを生むかどうか」。

    ☑各SNSの需要に合わせた戦略を練る。

    ☑SNS運用では、ファンをつくることや、今いるファンを喜ばせることを目的に。

「トレンドを追う」のではなく「コミュニケーションを生む」

今回、「SNSにおけるクリエイティブのトレンド」というお題をいただいたのですが、冒頭から元も子もないことをいってしまい、すみません!ですが、SNSの活用はトレンドを追うことよりも、コミュニケーションを生み出すことを意識した方がよいというのが私の考えです。

クリエイティブを制作する・検討する上で、「受け手の視点」は欠かせないもの。その考えにトレンドというものはなく、どのプラットフォームであれ大切な視点となってくると考えているのです。「コミュニケーション」というと、いわゆるTwitterのリプライなどを想像されるかと思いますが、もう少し広く考えていただければと思います。

①ユーザーリアクションの総称である「エンゲージメント」が獲得できる投稿

・共感する!面白い!頑張れ!の「いいね」
・後で見返そう!の「ブックマーク・保存」
・質問や意見、感想などの「リプライ・コメント」
・これみんなにも見せたい!の「リツイート・シェア」

②オフラインの場で行われる「この投稿見た?」「これ面白いよ」といったコミュニケーションが生まれる投稿。そもそもが問いかけの投稿。

このような投稿が、いわゆる「コミュニケーションを生む投稿」となります。これらはすべて「投稿を見た受け手が主語」であり、つまりコミュニケーションを生む投稿をつくるには「受け手を主語」にして考えなければなりません。内容だけでなく一緒に投稿するSNSクリエイティブもまた、よりわかりやすく視覚的に伝えるために「受け手を主語」にして考えることが重要です。

「受け手」の中でも特に大切なのは「ファン」

当社では「受け手」の中でも特に「ファン」や「これからファンになってくれそうな人」を大切に考えています。単に投稿を見た人ではなく、もともと投稿主に好意を持っている人にわかりやすく、欲しがっている情報を適切に伝えながらコミュニケーションを取ることが大切です。

では、なぜファンが大切なのか?理由は言うまでもないことですが、そもそも彼らは好意や興味を抱き情報を求めてくれていて、かつ応援をしてくれるからです。ファンを喜ばせるクリエイティブやコミュニケーションを創造することで、“ファン度合い”が上がり、より企業に貢献してもらえるようになります【図1】

図1 ファンをつくる8つのメリット

情報をより多くの人に広めてくれたり、別のサイトやSNSの閲覧に繋がったり、口コミで商品をおすすめしてくれたり、ブランド開発に関与してくれたりと企業のSNS運用の最終ゴールへ繋げてくれる存在が「ファン」なのです。

よく、「SNS運用の目的はどう設計すればいい?」という質問をもらいますが、当社としてはファンをつくることや、今いるファンを喜ばせることがSNS運用の目的になるべきだと考えています。SNS運用で、受け手やファンを主語としたときに、各SNSで求められているものは少しずつ異なります。そこで、需要に合わせたコンテンツ戦略が必要になってくるのです。

ユーザーが求める価値Twitterの場合

例えばTwitterでいうと、まだまだエンタメ・サブカルの需要が高い側面は衰えていませんが、初期の頃のような「個人のつぶやき」という利用の仕方をする人は減ってきているように思います。一方でビジネスマンのアクティブ率はおそらく上がっており、「ビジネスに関する知識を供給する人」と「その供給に対して共感や勉強する人」の構図は現状のTwitter上でよく見かけるかと思います。そんな中でTwitterのクリエイティブのトレンドのひとつは「資料型・図解型」です。

長文で投稿できる機能(Twitter Blueの契約者は最大10000字まで投稿可能)のリリースもあり、長文で解説しつつ、テキストで不足している部分を図解で補うというスタイルです。テキストを読まなくなっているユーザー傾向もあるため、「画像内に情報を入れ込み、まず画像を見せる→その後に興味があればテキストを読ませる」というクリエイティブの工夫も最近のトレンドと言えます。

また、アルゴリズムが一部公開され、滞在時間も重視されることが明らかになったため、画像内に情報を入れ込む、長文ツイートにする、などツイートへの滞在時間を意識するクリエイティブが増加しています。アルゴリズムの観点で以前からのトレンドが加速しているのが「マンガ型」です。

画像をじっくり読むマンガ形式は、リプライに続けて投稿することで...

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