広告マーケティングの専門メディア

           

宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

オリエンから施策終了まで 宣伝部の仕事で大切なこと

古橋直樹氏(アサヒグループ食品)

    広告・宣伝業務の基本

    ☑商品起点ではなく顧客起点の目線を持つ。

    ☑他社も含めて様々な広告に触れる。

    ☑施策の軸を明確にし、周りに伝播させる。

社会における商品の役割を発信していく仕事

私は新卒でベビーフードブランドの和光堂に営業担当として入社し、2016年の「アサヒグループ食品」への合併を経て、2018年からベビーアンドヘルスケアマーケティング部に所属。2021年4月に、栄養サポート食品「1本満足バー」や「クリーム玄米ブラン」のブランド担当になりました。

マーケティング部は、お客さまの心を動かすことができる部署だと感じています。商品の特徴とともに、どんなシーンで食べてもらいたいか、どんな気持ちになってほしいか、社会にとってどんな存在でありたいか…といったことを考え抜いて、発信をしていく仕事です。

売上を伸ばすという最終的な成果はもちろんですが、提供した施策を受け、お客さまから「元気が出た」「この広告をまた見たい」といった反響を得られることが、喜びに繋がっています。

オリエンから分析まで6カ月間の業務フロー

次に、年間の業務内容についてお話します。

「1本満足バー」ブランドでは年2回大きな施策を実施していて、いずれも約6カ月前から準備を始めます。主なフローは次の通りです【図1】

図1 6カ月間の業務フロー

①オリエンに向けた準備

外部の調査会社のデータや売上実績などから、ブランドが現状抱えている課題や、競合商品との違いなどを抽出していきます。

今回の施策では、どのような層にアプローチをしていくべきか。商品開発担当者と共に、話し合いを重ねます。

また今年から、一番初めのステップである調査会社との打ち合わせも、広告会社の方を交えて行うようになりました。計画のより上流から携わっていただくことで、認識の差異をなくすことが目的です。

②提案・検討

広告会社、クリエイターさんからのCM企画提案、全体の施策案に対し、ブランドチーム内で議論を行います。アイデアを選定し、ブラッシュアップ案の検討をしてフィードバックを行います。

施策の大枠が決まったら、社内での承認を得ます。承認を得たら、ローンチに向けてスタートします。

③ローンチに向けた準備

CM企画の内容を詰め、社内での承認、撮影と進行していきます。

撮影の前には、どこで撮影をするのか、どんな衣装にするのか、どんな小道具を使うか、など細かなところまで決めて撮影に臨みます。

撮影の際は、出演者の方の表情やアングル、商品の見え方などを現場で確認しながら進めていきます。

撮影が終わると、仮編集、本編集と進んでいき、ついにCMが完成します。

ここまでくると、私たちの仕事は事務作業が主になります。各所との調整や、資料の作成など、スケジュールに沿って進めていきます。

④施策の振り返り

出稿データや売上などの量的データ...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本 の記事一覧

いま、宣伝部の役割とは何か?戦略のプロになるための考え方
宣伝担当者が知っておきたい、データ利活用の第一歩
オリエンから施策終了まで 宣伝部の仕事で大切なこと(この記事です)
「コンセプト」の秀逸事例
機能するコンセプトとは具体を照らし出す「サーチライト」である
コンセプトとは覚悟であり、宣言である。
もう迷わない!非デザイナーの為のクリエイティブディレクション
伝えたい「たったひとつ」を磨き上げるためのポイント
秀逸・ダイレクトメールに見る 人の心の琴線に触れるクリエイティブ
ダイレクトマーケティングの秀逸事例
デジタル時代に有効なカタチあるDM 企画設計のポイント
CMOに聞く!強いチームをつくる、人材教育とマネジメントの極意
情報は探すものではなくて出会うもの-インプットの極意(2)
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する