サービスをプラットフォーム化するとグローバル化が加速する
先日、29年目の結婚記念日を迎えた。15年目までは毎年記念日に名前がついているのに、15年を超えると5年刻みになる。まだまだ宝飾業界にはマーケティングの余地があるな。などと思いをはせつつ※1、目の前に迫っていたのは私たち夫婦の結婚記念日の祝い方である。宝飾業界のことに気をもむ余裕はなかった。
※1 きっと28年目にも同じことを思ったのだろうが、まったく記憶がない。
ちょうど結婚記念日の後にクアラルンプールへの出張が入っていることに気付いた私は、11年前にも家族で訪れたランカウイ※2を結婚記念日の祝宴の場所と定めた。自らの才覚に酔いしれる時間は残されていない。さっそくオンラインのホテル予約サイトを使って、ホテルを予約。フライトはもちろん、ホテルまでの送迎や、ローカルの様々なアトラクションもプラットフォーム上ですべて予約できる。日本にいながら、指先ひとつで世界のほとんどの国々への旅行を手配できる時代が当たり前になっている。
※2 クアラルンプールから空路約1時間のマレー半島西海岸のアンダマン海に浮かぶ島。ユネスコの世界ジオパークに認定されている。
サービスをプラットフォーム化すると、世界中でそのサービスが使われるようになる。旅行業界、EC、フード・デリバリー、タクシー配車など、ありとあらゆるサービスがプラットフォーム化され、そして世界中で利用されるようになってきた。
2022年、ディスプレイ広告は90%以上がプログラマティック取引に
プラットフォーム化の潮流は、消費者向けサービスに限定されない。広告取引のようなBtoBサービスでもプラットフォーム化の流れは加速している。例えば、ディスプレイ広告では、取引ルールや取引指標、広告フォーマットなどの標準化を通じて、プランニングから広告枠の売買、配信、そして効果測定まで一気通貫で...