センサや測定器など、工場の生産性向上を実現するFA機器の総合メーカーであるキーエンス。営業利益率50%を超える同社の高収益を支えている理由が、データ活用のノウハウにある。科学的なマーケティング活動を推進する柘植朋紘氏に、データを活用していくためのポイントを聞いた。
大切なのは、「誰に」=行き先「先読み営業」を重視
BtoB企業においては、専門的なマーケティング部署を持たず、営業部門がその役割を果たしている場合が多くあります。したがって、今回はビッグデータ活用の手前の段階として、すぐに取り組め、すぐに効果を実感しやすい「営業活動におけるターゲティング」をテーマに、そのステップをお伝えします。
商談の成功には、「誰に」「いつ」「何を」「どのように」という4項目を磨き上げることが必要です【図1】。この中で、BtoB商材を扱う場合、最も大切なのは「誰に」です。例えば、宣伝会議編集部の皆さんに、工場用測定器のすごさを熱く語っても、買ってはもらえないでしょう。BtoBでは、会社に役立たないものは購買されないので、「誰に」を間違えると、挽回は難しいのです。また、「誰に」の技術は、データをうまく使えば、新人の営業担当でもすぐに向上させやすく即効性もあります。従って...
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