番組・広告識別の留意事項を周知 民放連が考えを公表
民放連の放送基準審議会は12月9日、「『番組内で商品・サービスなどを取り扱う場合の考査上の留意事項』の周知・徹底について」をまとめ、公表した。
同「留意事項」は、「番組内容が視聴者に広告放送であるとの誤解を招くことは、民間放送への信頼や放送のメディア価値の根幹に関わる民放全体の問題である」との認識のもと、2017年に民放各社の自律的な取り組みに資する考査上の基本的な考え方をとりまとめたもの。
その後、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会で、2019年10月には長野放送の番組内容が広告放送であるとの誤解を与えたと判断され、広告との関係をめぐる問題としては初めて放送倫理違反との意見が出された。また、20年6月にも琉球朝日放送と北日本放送がそれぞれ制作・放送した2番組で、「提供」表示が適切ではなかったとして放送倫理違反と判断されるなど、委員会決定が相次いでいる。
放送倫理検証委は20年10月、同委員長談話として「番組内容が広告放送と誤解される問題について」を公表。民放連加盟各社と民放連の自主的・自律的な取り組みを注視するとの考えを示した一方、自ら問題点を整理して処方箋を出すことが望ましいと指摘。民放各社でのさらなる取り組みを要望していた。
今回民放連がとりまとめた文書では、会員各社に対し、考査だけではなく、編成・制作・営業などの各セクションで問題意識を共有することが重要と結論付けた。そのうえで2017年の「留意事項」は改訂せず、社内体制の構築など、自主的・自律的に運用していくうえで特に重要な事項を「前文」として新たに記載した...