緊急事態宣言を受けて、全国のアダストリアの店舗では創業以来、初の全店休業を決定。しかし、自社ECサイト「.st」では店舗スタッフによる接客が行われ、売上も伸長した。コロナ禍を受けアパレル業界は、今後どのように変化するべきか。そこでアダストリアは何を提供していくのか。アダストリアの代表取締役会長兼社長 福田三千男氏に話を聞いた。
休業中はECサイトの売上1.5倍 自社スタッフがデジタルでも接客
──4月にはコロナの影響で創業以来、初めての全店休業を決断されました。休業期間中、自社ECサイト「.st」での売上が伸びたそうですね。
緊急事態宣言を受け、5月中旬ごろまで多くの店舗で休業をしました。一方で自社ECサイト「.st」では、当社が保有する28ブランドの商品を扱っていますが、売上は前年同期比150%を記録。店舗であれば普通に行うことができる店員による商品の説明やお客さまに合わせたスタイリングの提案などをすることがECではできない。実はコロナ禍以前から、接客の価値をいかにデジタル上で再現するかを考え、取り組みを進めていました。
具体的には「.st」内に「スタッフボード」というコーナーをつくり、当社の接客スタッフ約1500名が、商品やスタイリングについて発信していました。
コロナ禍では、各スタッフが動画などを積極的に配信。お客さまにとても喜んでいただけたため...
あと66%