日本における「買い物難民」問題を解決すべく、移動型スーパーを運営する「とくし丸」。全国46都道府県で555台稼働、130社のスーパーマーケットと提携し、約8万人の顧客がいる。コロナ禍において消費者の「生活」に対する安全意識が高まる中、どのようなことに留意して営業活動を行ってきたのか。とくし丸の代表取締役社長である新宮 歩氏に話を聞いた。
一人ひとりに寄り添い信頼関係を構築し安心も提供
──コロナ禍に際して、これまでどのような対策を講じてきましたか。
一番力を入れてきたことは、お客さまの安全を守ることです。とくし丸のお客さまは70~90代を中心とした高齢の方々で、コロナに罹患すると重症化しやすいため、現場でお客さまと接触する機会が多いドライバーに対して感染リスク軽減のための予防対策の徹底をお願いしました。具体的には、販売中のマスク着用、アルコール消毒液での手指や備品の除菌、体温測定の提示、体調管理の徹底や体調不良を感じた際はすぐに相談することを周知するなどの方針を関係各位に提示しました。
とくし丸全体の運営を担う本部の対応としては、ドライバーが安心して感染対策をするため、マスクの入手が困難だった4月中旬に一人50枚配布できるように3万枚弱のマスクの手配をしました。
──コロナ禍で、移動型スーパーの顧客、パートナーシップを組むスーパーマーケット、移動型スーパーのドライバーと、とくし丸の各ステークホルダーに変化はありましたか。
私たちのビジネスはコロナ禍の影響はさほど受けず、逆に利用客数や客単価とも増加し、コロナ前と比べると1台あたりの売上は10~20%増加したという変化がありました。
利用客数と客単価が増加した大きな理由のひとつは...
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