広告マーケティングの専門メディア

           

経営者が考えるニューノーマル

デジタルとは対極にある「丸亀体験」 テクノロジーの活用でブランド体験を進化

粟田貴也氏(トリドールホールディングス)

政府による緊急事態宣言を受けた自粛期間中、丸亀製麺は外食産業の中でいち早く「安心安全」を謳ったテレビCMをオンエアした。コロナ禍を受けて今後、丸亀製麺はどのように変化をしていくのか。トリドールホールディングス代表取締役社長 兼 CEO粟田貴也氏に同社の主力ブランド「丸亀製麺」での展開について話を聞いた。

トリドールホールディングス
代表取締役社長 兼 CEO
粟田貴也氏

1961年生まれ。1990年トリドールコーポレーション(現・トリドールホールディングス)設立。近年は「丸亀製麺」を中心に展開し、積極的に海外市場への進出を進め、国際的競争力を持つ企業の育成を目指している。2008年東証一部上場、2016年トリドールホールディングスへ商号変更。国内外において1700店舗以上を展開。

トリドールホールディングス
[会社概要]讃岐釜揚げうどん「丸亀製麺」、焼鳥ファミリーダイニング「とりどーる」、とんかつ・とんテキ専門店「豚屋とん一」、美と健康のライフスタイルブランド「SONOKO」など、24ブランドの飲食業を運営。「丸亀製麺」は世界12の国と地域で219店舗展開している。

コロナ禍で迎えた20周年 まずはお客さまの安心を重視

──「丸亀製麺」では、いち早く安心安全を訴求するテレビCMを開始しました。

4月は緊急事態宣言を受け、丸亀製麺でも営業時間短縮や一部店舗休業などの対応を余儀なくされました。営業再開後は、お客さまに安心して来店いただけることを最優先に、店内の感染対策を徹底。5月7日からは、店内の換気対策などについて説明するコロナ対策版テレビCM「安心安全篇」の放映を開始。「対策をしっかりしているブランドだから安心できる」と思っていただけるようコミュニケーションも行ってきました。

5月27日からはテイクアウト販売を強化。併せて、テレビCMもテイクアウトの強化を伝える内容に変更しました。これまでも天ぷらのテイクアウトは行っていましたが、うどんに関しては「店内で召し上がっていただきたい」という思いで販売していませんでした。しかし、今回幸いにも数年前から模索していたテイクアウト用の包材の準備が整い、課題だった①のびる②スープの温度が下がるという2点を克服し、販売に踏み切ることができました。ただ現在は、デリバリーは行っていません。

丸亀製麺は今年で20周年を迎え、現在、国内外で1000店舗以上を展開しています。これまで大事にしてきたのが...

あと64%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

経営者が考えるニューノーマル の記事一覧

SNS上に流れる、デマや攻撃的な言葉 生活のオンライン化が与えた影響とは?
人々に共通する心理を知ったうえで マーケティングでは個別性をすくい取る
ストレスフルな人間関係を遠ざける? 不可逆的に変化する人と人とのつながり
急加速するDXを定着させられるか? 「デフレーミング」戦略を考える
「感染しても弁明可能な行動か」 後ろ指を指されたくない心理に寄り添う戦略を
非常時に生きたカスタマイズ 移動式スーパーで「買い物難民」解決に挑む
コロナがリゾートウェディングの追い風に? 少人数で絆を深める「旅×パーティ」にニーズ
コミュニケーションの熱量がある場に商機 リアルとデジタルで人の関係性を深めたい
店づくりは、街づくり 「選び直される時代」における生活の提案
ブランドは「リアル」でつくられる 接客の在り方、店舗の在り方を見つめ直す時
デジタルとは対極にある「丸亀体験」 テクノロジーの活用でブランド体験を進化(この記事です)
「スポーツ」は人間らしい文化 IT企業ならではの楽しみ方を提案したい
百貨店の店頭で提供する体験価値を磨き オンラインでの拡張を目指す
グローバル時代に必要なリーダーシップとは? Afterコロナに求められる「大学」の役割
企業・自治体・NPOのプラットフォーム「Jリーグ」をどう使うか?
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する