いま人口動態をはじめ、日本という国の形が足元から大きく変容しつつあります。少子高齢、人口減少など、不可逆な流れにいかに企業は対応すべきか。そこで、注目されるのが次世代のロイヤルティマーケティングです。「ポスト2020」。成熟した市場に向き合う、これからのマーケティングのあり方をチーターデジタルの加藤希尊氏が解説していきます。
ロイヤル顧客を理解し0Partyデータを活用する
東京五輪の開催で活気づく日本ですが、足元に目を向ければ1年で43万人超もの人口が減少しています(2018年から2019年)。市場自体の縮小、さらには消費者のメディア離れなど、新規顧客へのリーチを最大化する従来型のマスマーケティングでは立ち行かなくなっているのが現状ではないでしょうか。
以前から2:8のパレートの法則など、一部のロイヤル顧客によって大半の売上が支えられているといわれてきましたが、日本のように成熟化した環境においては、このロイヤル顧客の理解が非常に重要になっています。新規顧客へのリーチを最大化するアプローチから、ロイヤル顧客の価値を最大化し、その顧客を資源としてマーケティング活動の収益を高めるアプローチへの転換が求められているといえるでしょう。
2020年、さらにはポスト2020を見据え、いまマーケティングには進化が必要です。ロイヤル顧客の理解、さらにそのための0Partyデータの活用などチーターデジタルが提唱する、次世代のマーケティングの思想について5つのキーワードを基に解説していきます。
アップデートが必要な5つの領域
「消費行動」のアップデート
私は2014年に100名を超えるマーケターが参加する「JAPAN CMO CLUB」を立ち上げ、各社の課題についてディスカッションを重ねてきました。活動を通じて見えてきたのは人口減少、コモディティ化、顧客接点の奪い合いという3点が多くの企業において、課題となっているということ。従来のマスマーケティングでは立ち行かなくなっている現状がありました。
この課題を解決するために必要なのは、顧客に立ち戻ることです。どれだけ消費行動が変化しようと、深くて正しい顧客理解を起点にすれば適切にブランド体験を提供でき、なおかつ顧客にストレスのない形で接点をつくり、さらに関係性を深めることができるからです …