小売り流通の理解なくして、機能する購買時点対策は生まれない
購買を促すプロモーション界は、なぜか、流通重視派と流通問題スルー派とに分かれる。しかし最近は、Eコマース市場の急伸で、明らかに流通重視派の声は小さくなったように思える。
とはいえ、わが国のGDPの6割を支えるのは個人消費であり、小売り流通を経た支出である。直近の経済産業省発表(3月20日)の小売り業による年間商品販売額は、138兆156億円にも上る。
小売り流通は依然、プロモーション業界にとって最大の得意先である。それは圧倒的多数のメーカーが、9割余を超える販売を、伝統的な小売り流通に依存していることに他ならない。
このようにプロモーション活動と小売り流通は不即不離の関係にある。小売り流通への理解なくして、機能する購買時点対策は生まれないのだ。
商品に価値を持たせ購買意欲を喚起する
一方、流通問題スルー派の論拠は、プロモーション活動の対象はあくまでも消費者であって、流通展開についてはメーカーが対応するものと考えている。我々が関与すべきでないという、従来からある"不思議な自己規制"によるところが大きい …
あと59%