2月24日、電通アイソバー主催による「Ideas Without Limits ~進化したテクノロジー×アイデアが生み出す、ブランドとビジネスの変革~」と題したプライベートセミナーが開催された。迫られる日本企業のグローバル化と、その上でのカギとなる企業のデジタル化について語られた。
Isobar グローバルCEOのJean Lin 氏(左)、LINE 上級執行役員の田端信太郎氏
(左から)電通アイソバー 代表取締役社長の得丸英俊氏、パナソニック ブランドコミュニケーション本部 グローバルコミュニケーション部 デジタルコンテンツ課 課長の次田寿生氏、スリーエム ジャパン eコマース プロジェクト部 eコマース マーケティング部 部長の田中 訓氏
シームレスで楽しいショッピング体験を提供
第1部では、Isobar グローバルCEOのJean Lin氏が登壇し、「IdeasWithout Limits(無限なアイデア)」のテーマで講演。いまや消費者は海外ブランドの商品をECで買うのが当たり前の時代になっているなかで、わざわざその国に行かないと買えないものを「海外の人でも気軽に購入できるフレンドリーなECサイトが整っていないため」とLin氏は説明。同時にそれが、「大きな機会損失につながっている」と警鐘を鳴らした。
「今後、EC市場はさらなる拡大が予想される。マーケターは他社との競争に打ち勝つための最新のテクノロジーの活用にとどまってはいけない。消費者がいかにスムーズに買い物をできるかという仕組みをつくることこそが、マーケターには求められている。Isobarは、未来のブランドのあり方を“ブランドコマース”と名付け、消費者のインスピレーション(触発される点)とトランザクション(決済する点)を近づけるサポートをしていく」とし、シームレスで楽しいショッピング体験を提供することに注力すると話した。
講演中には、具体的な取り組みとして、イタリアの自動車メーカーが平日の購買機会を拡大するために、直接ディーラーに行かなくても、家にいながらヴァーチャルな試乗体験やディーラーの説明を聞くことのできるサービスを提供する事例も紹介された。
第2部では、LINEの田端信太郎氏が、「スマートフォン新時代のマーケティングソリューションプラットフォーム」について講演。若者を中心に、スマートフォンの接触時間はテレビを上回っているデータを紹介し、現代においてスマートフォンこそが“ファーストスクリーン”であることを強調。その上で、テレビの広告宣伝費に膨大な予算を割く企業に対し、「“若者の●●離れ”などと言われて久しいが、置いていかれているのはむしろ企業側であり、ユーザーが接するメディアに注目をしていないから、思ったように製品が売れない現状が生まれているのではないか」と指摘。日本の大手企業を含め、世界中の400以上の企業がLINEの公式アカウントをつくり、ユーザーとの新たな関係構築に注力している事例を紹介した。
第3部では、デジタルブランド戦略についてパネルディスカッションが行われた。スリーエム ジャパンの田中訓氏は、「最も力を入れていきたいのは、マーケティングオートメーション。顧客満足度向上のために、すべてのタッチポイントにおける活動を可視化し、改善していく」と話し、パナソニックの次田寿生氏はグローバル展開について「いままでパナソニックに関心のなかった層にも興味持ってもらえるように、ブランドのコアバリューを核にしたデジタルエンターテイメントを通して、ブランド認知を広げていく」とした。
最後に電通アイソバーの得丸英俊氏が、「あらゆることがデータで可視化される時代。データを踏まえ、クライアントのビジネスにどう貢献ができるかをいままで以上に考えないといけない」と語り、講演を締めくくった。
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