3月17日、アカマイ・テクノロジーズ主催で「デジタルエクスペリエンス最大化セミナー」が行われた。マーケティング部門を中心に、60名を超える企業担当者が集まり、ユーザーに対して、快適かつ安全なコミュニケーションを実現するための取り組みやサービスが紹介された。
企業担当者が目指すべきは圧倒的なモバイル体験の提供
第1部では、東日本旅客鉄道の松本貴之氏が登壇し、「JR東日本アプリ」を中心とした“個”客マーケティングについて紹介した。
同アプリは、JR東日本の駅や列車をより便利に快適に使ってもらうべく、発車標や車内状況、構内図、コインロッカー空き状況といった情報コンテンツを提供している。冒頭で松本氏は、同アプリの開発背景について言及。リリース当時の2年前を振り返り、「すでに路線案内アプリが浸透しているなかで、当社は明らかな後発だった。だからこそ、当社だからこそできるアプリを開発する必要があった」と説明した。
JR東日本だからこそできることとして、松本氏は「既存データの活用」「コンテキストに合わせた幅広い情報配信」「先進的な技術をインフラとして組み込む」を挙げ、「もともとWebサイトで提供していたコンテンツ、社内のみで使用していた情報をアプリでも提供した。また、お客さまがどこの駅にいるのかという位置連動性と、列車の位置情報をはじめとするリアルタイム性を重視した情報配信を徹底し、さらに、Wi-Fiアクセスポイントによる位置検知や音波ビーコンによる車内情報提供も強化した」と語った。
そうした戦略が奏功し、リリースから2年が経過した現在、同アプリは、160万ダウンロードを突破しているという。
つづく第2部では、アカマイ・テクノロジーズの岡本智史氏が登壇。ユーザーを取り巻く情報環境が変化し、デジタル上の情報価値が上がっていることを指摘しつつ、デジタル配信に関わる課題として「モバイル向け配信の高速化」「Webサイトの可用性」「グローバル対応」を挙げた。
「なかでもモバイルの場合は、Webでもアプリでもサイトの速度がユーザビリティを阻害している。結果として、それが購買といったアクションの障壁になっている」と強調し、その具体例として、某ネット予約専門サイトを運営する企業の事例を紹介。「Webサイトを通じて世界観を伝えるためには画像にこだわる必要があり、同時にサイト表示のスピードも重要。アカマイの高品質な動的画像サイズ変換ソリューションにより、パフォーマンス向上と同時に、人的コストの削減につながっている」と話した。
さらに岡本氏は、「デジタル上での情報を、ユーザーに対して確実に快適に届ける。その届ける先にコンバージョンがあるはずだが、そもそもユーザーが求めるレベルで情報が届いていないことも少なくない。そのためには、“圧倒的なモバイル体験”の提供を目指すべき」と、その重要性を説いた。
第3部では、アカマイ・テクノロジーズの中西一博氏が、「サイバー攻撃が与えるブランドと企業Webへのインパクトとその対策」をテーマに講演。同社が入手したリストによれば、活動の認知を上げるために政府機関やインフラ、有名ブランド、大企業のECサイトもサイバー攻撃の標的になっていると指摘し、「世界的な平均として、サイバー攻撃を受けると、復旧までに20日くらいかかる。また攻撃を受けたことによる影響として、イメージの悪化やIT担当者の人的コストの増大なども挙げられる」とし、セキュリティの重要性を訴えた。
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