2015年9月に、宣伝会議と共同で「オンライン動画活用を考える企業研究会」を立ち上げ、動画活用のあり方を議論してきたオプト。同社が今年はじめに着手した動画制作の裏側に迫る。
タカラトミー「人生に驚きと歓よろこびを」篇
動画のメインとなるのが、結婚式を挙げていない両親に、成人式を迎えた娘が送る結婚式のサプライズ。その内容にあわせ、動画の公開時期を成人式前に設定した。
空港に出現したリアル「人生ゲーム」が話題に
1月初頭、空港でリアル「人生ゲーム」に挑戦した動画が注目を集めた。トランクレーンに巨大なルーレットとマスが用意され、旅行者に次々とサプライズが仕掛けられる…。発売から48年目を迎えた「人生ゲーム」のプロモーションのため制作されたものだ。
販売元のタカラトミーでは、これまでバイラル動画など効果が不確実な施策には積極的でなかったが、動画やSNSなど新たな手法に取り組むべく、2014年秋に次世代マーケティング室が新設された。同室に所属する竹川洋志氏は、「ロングセラー商品となった『人生ゲーム』に鮮度を出すことに挑んだ」と今回の動画について言及する。
リアル人生ゲームをつくるという企画提案を行ったのはオプト。クリエイティブディレクターの松本康成氏は、「人生ゲームという商材を中心に置き、共感や好意を持たせながらも、バイラルを狙うため動画に拡散要素をちりばめた」と話す。内容はもちろんのこと、SNSを軸としたターゲティング、PRの仕込みも欠かせなかった。
「Facebookでは情報感度の高い人に絞り、情報を発信していった。公開するタイミングも重要で、成人式の前といったトレンドに合わせてプロモーションに力を注ぎ、最初の2週間で拡散させていった」(松本氏)。
その結果、すべてのメディアの合算で目標設定値の100万をはるかに超える1000万回再生を達成し、67媒体に取り上げられた。動画を見た人のコメントには、クリエイティブへの感動以外に、「また人生ゲームをやりたくなった」「タカラトミーが面白いことやっている」という声も多く見受けられ、ブランドへの好意や商品の購入喚起にもつながったと考察する。実際に、同時期の「人生ゲーム」売上は昨年対比で120~150%を達成した。
「ブランドの価値を再発見してもらう手法として動画が機能することが実証できた。ただ、『人生ゲーム』はすでに認知度の高い商品だったために不要だったが、新商品の場合などは、プロモーションビデオのようにならないよう注意しなくてはいけないし、共感ポイントをどうつくるかが課題になる」と竹川氏。それに対して、松本氏は、「動画は、色々な組み合わせで相乗効果を生むことができる。話題化、好意形成、購買促進ということだけでなく、それらの点を線にする施策というのが今後大事になっていくのでは」と語った。
(左)タカラトミー 次世代マーケティング室WEBマーケティング課 担当課長 竹川洋志 氏
(右)オプト オンラインビデオアドソリューション部クリエイティブ ディレクター 松本康成 氏
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