個人の発信力が増す現代、マスコミュニケーションからファンベースのマーケティング活動へと注目が移りつつある。企業ブランドに積極的に関わり、自発的にクチコミを発信する“アンバサダー”を増やすために企業はどうしたらいいのか?アンバサダープログラムを推進するアジャイルメディア・ネットワークが1月27日に開催した「アンバサダーサミット2016」をレポートする。
当日は朝から講演やパネルディスカッションが行われ、約450名が参加。会場はほぼ満席であった。
マスコミュニケーションに代わる手段としても期待
ファンやアンバサダーを重視したアプローチをマーケティング活動全般の中でどのように位置づけていくべきか、議論された本サミット。
代表取締役社長の上田怜史氏はプレゼンで、アンバサダープログラムを「ブランドについて語る言葉を増やしていき、その結果、正しくそのブランドの価値・魅力を周囲に伝えることを推進していく活動」と説明。さらに、「人に情報を伝えてもらうことは容易ではない。クチコミを促進するためには、『動機づけ』『クチコミ機会』『知識』が必要」と続けた。
今後は、アンバサダーによるクチコミや情報などのコンテンツを活用する領域を広げて、ECやダイレクトマーケティング、インバウンドへのアンバサダーの活動を推進していこうと考えている。「こうした活動を推進することで、例えばECの購入データとクチコミデータを紐づけることで、金額やリピート率で定義されていたロイヤル顧客の指標に、新たにブランドの価値を伝えるという指標が生まれるかもしれない。“塊”として見ている会員の中に潜んでいる可能性のある、そうしたロイヤル顧客を見つけることも大切」と上田氏は話した。
その後、セールス・オンデマンドの徳丸順一氏、ヤマハ音楽振興会の中西信夫氏、ソニーマーケティングの野田篤氏らアンバサダープログラムを開始して1年以内の企業によるパネルディスカッションが行われた。
アンバサダープログラム開始のきっかけを聞かれ、3人が理由にあげたのは従来型のマスマーケティングの限界。「商品購入の最後のひと押しには、消費者のリアルなクチコミが有効。それを加速させるため、お客さまのクチコミを集約して市場に戻せるプラットフォームをつくった」と徳丸氏。
そのほかアンバサダープログラムによる成果や手ごたえについても語られたが、自社の取り組みの紹介で、野田氏がアンバサダーとの関係性を、「ファンの方々に対しての施策のベースは『おもてなし』の姿勢だが、アンバサダーはさらにその先、ある意味ビジネスパートナーの一部」と表現していたのが印象的であった。
登壇した代表取締役社長の上田怜史氏。
同社 副社長の高柳慶太郎氏が3月にリリースされる新システム「アンバサダー プラットフォーム」について説明。
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