アドビ システムズ コンサルティングサービス本部 DMSコンサルティング部部長 祖谷考克氏
顧客の体験価値を最大化する5つの視点
デジタル時代の今、マーケティングを担当されている皆さまにとって、理想の顧客コミュニケーションとは何でしょうか?私は、「オムニチャネル下での顧客体験価値の最大化」が、今後ますます重要になってくると考えています。
お客さまが望んでいる体験価値をピンポイントで提供する―それを実現するための情報に、これほど恵まれている時代はないといえます。とは言え、実務の現場においては、なかなか上手くいかないのが現状だと思います。
アドビには、デジタルマーケティングを推進する上で整備すべき要素をまとめた「L3PS」というフレームワークがあります。システム導入に際して重要と言われる3つのP=「プラットフォーム」「パーソン(人材)」「プロセス(組織)」に、L=「リーダーシップ」、S=「ストラテジー」を加えた形です。この5つの視点から顧客コミュニケーションをひもといていきたいと思います。
まずは「プラットフォーム」。世間ではよく、ビッグデータを活用するとビジネスが上手くいくと言われます。ところがそのデータは、一つの場所にまとまって存在しているのではなく、非常に複雑で細分化されているのが特徴です。データをマーケティングに活用する上で重要なのは、「データ同士が連携しているかどうか」。メールアドレスに名前、そして購入履歴。そのデータを使ってすぐに次のアクションを起こせることが必要です。
二つ目は、システムを運用できる「パーソン(人材)」。マーケティング担当者にテクノロジーへの理解と知識がなければ、プラットフォームの最適な活用は難しい。集約したデータを読み解く力が重要で、特に、データの裏側にある可能性を踏まえ、自ら仮説を立てる力が求められます。
三つ目は「プロセス(組織)」。デジタルマーケティングは各部門で推進され、サイロ化されていることが少なくありません。サイロ化している組織をつなぎ、各プロジェクトを組み合わせて全体最適を図る必要があります。そこで必要になるのが、四つ目の「リーダーシップ」です。
現在は、オンライン/オフラインのさまざまなチャネルが存在するカオス状態にあります。すると組織内において、一つのプロジェクトの関係者も必然的に増えてくる。そこでは「誰が意思決定をするか」が重要です。海外では中央組織(CoE:Center of Excellence)にそれを担わせる企業が多く見られます。
五つ目は「ストラテジー」。マーケターの皆さんは、お客さま一人ひとりに最適なタイミングで最適なメッセージを届けたい、と常に考えていると思います。それこそが真のゴールであることを忘れずに戦略を立てていく必要があります。
これら5つの要素を、高い次元で融合させ、実行することで、オムニチャネルにおける顧客体験価値の最大化は実現されます。そして、これらの要素一つひとつの刷新が、各企業のデジタルトランスフォーメーションにつながっていくと考えています。
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