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CSVでソーシャルグッド 社会と共に成長する企業

2015年、ソーシャルグッド×マーケティングのトレンドを読む

安藤光展

「ソーシャルグッド」の考え方が企業間でも浸透しつつある一方、実践にあたってはまだまだ課題も多い。CSRコンサルタントの安藤光展氏は、課題解決のカギに、統合思考という概念に加え、「共創マーケティング」と「コンテンツマーケティング」という2つのトレンドを挙げる。

消費者の消費活動に、企業のソーシャルグッドな取り組みが影響を及ぼしていることが分かる。

ソーシャルグッドの実践 課題は社内に

いまや、CSRやソーシャルグッドという領域は、世界中で法律やガイドラインとしても整備されており、グローバル展開する企業が意識しない(無視する)ことはありえない時代となりました。そして、世界中を見ても誰もが賛成するビジネスモデルというのはありませんが、「ソーシャルグッドで社会がよくなる」ことを否定する人は基本的にいません。それこそがマーケティングにソーシャルグッドを組み込む絶対的な理由にもなります。

通常のマーケティングが「企業と顧客」の関係づくりだとすれば、ソーシャルグッドは「企業と社会(ステークホルダー)」との関係づくりと言えます。もちろん、社会の中には顧客も含まれます。顧客だけが顧客ではない。まるで“なぞなぞ”のようですが、これこそがソーシャルグッドの真髄であり価値なのです。

一方、消費者もそれを望んでいる傾向もあります。例えば、消費者庁の「消費者意識基本調査」(平成25年度)によれば、商品・サービスを選ぶ時に59.4%が「経営方針や理念、社会貢献活動を意識する」とあります。中でも「常に意識する(3.8%)」「よく意識する(14.6%)」という、社会貢献消費の習慣を持つ人が18.4%もいるというのです。また、環境配慮の商品購入を心がけているという人は、全体の47.9%いるとしています。つまり世の中の半分の人は、消費行動の際に企業のソーシャルグッドな側面を判断基準にしているのです。

消費者が商品・サービスそのものではなく、企業の「経営方針や理念、社会貢献活動」を評価するということは、サービス品質の前に「この会社は信頼できるか」という点が問われるということを意味します。もはやソーシャルグッドの視点がない企業のマーケティングは、すでに顧客の何割かを失っているとも言えるでしょう。これは一つの調査に過ぎませんが、マーケティングにおけるソーシャルグッドとは、差別化の戦略を含めて“対応すべき”時代に突入しています。

では、ソーシャルグッドを実践するには何をすればいいのか。そのポイントとなるのが、CSR業界でも注目が高まりつつある統合思考(Integrated Thinking)という概念です。統合思考とは、縦割りの部門単位ではなく、一つの企業体として統合的な意思決定および行動に結びつく概念のことです。つまり、部門を超えて企業全体で同じミッションを共有し、事業活動に落とし込んでいくことです。例えば、CSRやソーシャルグッドの概念が中期経営計画に反映される、部門横断のプロジェクトチームができる、などが分かりやすい例でしょう。結果として、本業のビジネスモデルにソーシャルグッドを“統合させる”ということを意味します。

ただし …

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