1980年代から、グローバルで独自のCSVを実践し、支持を広げてきたアメリカン・エキスプレス。ソーシャルメディアを活用し、カード会員や消費者の参加意識を高める近年の取り組みは、大きな成果を上げているという。
毎年恒例となった「スモールビジネスサタデー」は、いまや社会的なムーブメントに発展している。2012年のカンヌライオンズではプロモ&アクティベーションとダイレクトの2部門でグランプリを獲得。
参加型キャンペーンにより社会を巻き込む
アメリカン・エキスプレスは、CSV活動を世界に先駆けて行ってきた。同社は1954年に財団を設立し、毎年年間2800万ドルの予算を組んでいる。「多様な文化遺産の保護・修復」「明日のリーダー育成」「地域社会への貢献」の3つをテーマに据え、NPOをはじめとする外部パートナーと協力して、様々な社会課題の解決に取り組んでいる。
1983年に米国で行った「自由の女神修復プロジェクト」は、コーズマーケティングとして成功を収めた事例だ。
自社、カード会員、パートナー、社会を巻き込み、それぞれにメリットを訴求し、カード会員がカードを通じて消費活動を行うことで社会貢献ができる仕組みをつくった。同社 副社長 広報 日本/アジア・太平洋地区担当のエディ 操氏は、「当社は元々、ニューヨークで創業した会社であり、マンハッタンとも結びつきが強いという理由から、自由の女神修復プロジェクトを立ち上げました。当時、新しいカードの発行1枚につき1ドル、カード会員が米国内で1度カードを使うごとに1セントを寄付するというキャンペーンを実施しました」と話す。
自由の女神の修復は米国人にとって …