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CSVでソーシャルグッド 社会と共に成長する企業

新しい企業の競争戦略 社会を巻き込むCSVのポテンシャル

デロイト トーマツ コンサルティング 藤井 剛 × 電通 ソーシャル・デザイン・エンジン 福井崇人 × gooddo 下垣圭介

マーケティングや広告界からも、にわかに注目が高まるCSV。コンサルタント、広告会社、NPO支援の立場から、企業がCSVに取り組むにあたっての課題や現状、今後の可能性について語ってもらった。

カギは社内外の連携 自社でNPOをつくる選択肢も

福井▶ 電通 ソーシャル・デザイン・エンジンで、企業のソーシャル活動の支援をしています。この分野には十数年携わっていますが、やはり2011年の東日本大震災以降、企業や社会、消費者の意識が変化しているように思います。欧米は進んでいて、企業がソーシャルグッドを実践しないと、株価が上がらないし、不買運動が起こるケースもあります。ソーシャルグッドは、いまや志以前に、ビジネスとして実践しないと勝てない時代になりつつあります。

藤井▶ コンサルティング会社で、新規事業の立ち上げやイノベーション、そのための組織改革などを専門にしています。世界的にも、2008年のリーマンショック以降、企業のあり方が見直されています。グローバル企業の経営戦略を分析していると、ソーシャルな視点で企業活動に取り組むことが競争優位につながることが分かります。最近は、社会課題の解決自体をビジネスにする発想で、市場を自らつくっていく経営戦略をとる企業も増えています。

下垣▶ 「gooddo」というNPOなどの支援プラットフォームを運営しています。NPOと企業をつなぎ、ユーザーが社会貢献できる機会を提供するサイトです。具体的には、「gooddo」を訪れるユーザーのアクションに応じて、企業には広告費が発生し、その一部が参画しているNPOなどに活動支援金として提供される仕組みです。現在は約400のNPOなどが参画しており、60万人以上のユーザーがアクションを行い、支援金総額は3000万円を超えています。

福井▶ 商品のコモディティ化が進み、価格競争に陥ると、現場は疲弊していきます。商品をコミュニケーションによってよりよく見せようとすることにも限界があり、現場は新しい付加価値を求めています。企業自体や商品の価値を上げていくために、企業自らが社会のハブとなり、社会の課題を解決するためのステークホルダーという仲間を広げていくコミュニケーションを、僕は「ソーシャル式戦略PR」と呼んでいます。つまり、世の中の空気をつくるということです。

下垣▶ そうした空気づくりがますます必要になっていると感じます。ただ同時に、対社内のコミュニケーションも課題ですよね。例えば、マーケティングとCSRの部門の連携がない企業もまだまだ多く、一部署ではできることが限られます。そうした連携が増えれば、外部のNPOとの連携をはじめ、社会貢献の取り組みも活性化していくと思います。

福井▶ 企業の中の組織的な課題は確かに大きいですね。例えば、CSRの部門が他部門と連携しようにも力関係で弱いケースも見られます。また、企業とNPOの連携にも課題があります。NPOには強い主義主張があり、企業にも当然それがある。お互いの共通言語がないので、両者の言い分を翻訳し、それぞれのメリットを訴求するという、ファシリテーターの役割が必要とされています。

下垣▶ 確かに、企業とNPOが深く関ろうとするほど、難しさが増す側面があります。そのため、「gooddo」では、寄付をする先を企業が決めるのではなく、ユーザーが決められる仕組みに変え、企業とNPOがライトな関係性で共存できるようにしました。

藤井▶ 企業が新規事業として社会課題に取り組むには、やはり社会課題にアンテナの高いNPOやNGOとの連携は欠かせません。一方で、最近、私は …

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