2011年に発売された「AQUA」は、「10年先を見据えたコンパクトカー」がコンセプトのトヨタ初のコンパクトハイブリット車だ。発売と当時に展開されたコンセプトを体現するプロモーション「AQUA SOCIAL FES!!」は、若者を中心に巻き込み、3年経った今でも日本中でムーブメントを起こしている。
企業・社会・個人が“いいね!” 地域密着の社会貢献活動
「AQUA SOCIAL FES!!(ASF)」は、「AQUA」の名前にちなんで「水」をテーマにした、一般参加型の環境保全プログラムだ。社会貢献活動でありながら、活動の費用はプロモーション予算から捻出されている。「AQUA」発売時、通常の新車発売時と同様にテレビCMや新聞広告をはじめとするマス広告が展開された一方で、「AQUA」のコンセプトを体現するため、これまでのマーケティングの概念の打ち破るプランとして練られ、2012年からスタートした。
日本全国47都道府県50カ所で展開される同キャンペーンの基本理念となる考え方が「共成長マーケティング」。キャンペーンを行う側と、受け手側という従来の図式ではなく、企業・社会・個人の三者がWin-Win-Winになるような関係性の構築を目指した。一般的なCSRとしての社会貢献活動ではなく、本当に地域が求めている活動をするため、トヨタマーケティングジャパンと、地方紙やブロック紙などの新聞社、地域に根差すNPOとが連携。それぞれが全く異なる課題の解決を目指し、海岸や川辺の清掃活動、カヌー体験、植樹など、多彩な活動が行われてきた。自動車のプロモーションでありながら、AQUAの購入はもちろん、試乗しなくても参加できる同活動は、社会にどのような価値をもたらしたのか。
「通常の自動車の購買層とは異なる、若者の参加率の高さに驚いた」と語るのは …