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W杯にみるマネジメント課題

日本イベント産業振興協会 主任研究員 越川延明

『Sustainability Strategy Concept』(2012) 『Development of the Sustainability Strategy』(2013) 
2014 FIFA World Cup Organising Committee Brazilより作成

2014年FIFA ワールドカップの開催目前である。今大会も素晴らしいプレーやドラマに熱狂が巻き起こるだろう。その前に大会準備を振り返り、大規模イベントにおけるステークホルダー(利害関係者)エンゲージメントの重要性について考えていく。

国際サッカー連盟(FIFA)の事務局長ジェローム・バルク氏は、「FIFA W杯は単一のスポーツ競技大会として世界最大であり、社会面、環境面へのインパクトは明らかである。このような世界規模のイベントを創るにはあらゆる課題に対してバランスよく取り組み、持続可能な成果を残していくことが求められる」としている。これを受け、2014年ブラジル大会はビジョンの1つに「成果を将来のFIFA W杯や他の大規模スポーツイベントのベンチマークとして残す」ことを挙げている。成果とは、結果であり、結果を残すための考え方と取り組みである。我々は今大会の成果から少しでも多くのものを学ぶ必要がある。

開催前の状況からマネジメントが成功しているとはいえない。常に伝わってくるストライキの発生とスタジアム建設やインフラ整備の遅れだけでなく、FIFAコンフェデレーションズカップ2013の開催時に発生したデモにはブラジル国内20都市以上、100万人超が参加したことも記憶に新しい。ストライキは賃金問題や労働環境の改善を求めたものであり、デモは医療・教育環境の改善を求めるものや利権政治への反対である。大会そのものに対して発生しているというよりは十分な説明がされなかったこと、公正な機会が与えられなかったことに起因している。その結果、ブラジルの調査会社ダタフォーリャが今年2月に行った世論調査によると、ワールドカップの自国開催に賛成する国民の数は、2008年時点の79%から52%に大幅減少、反対する立場の国民は同10%から38%へと大幅に増加している。※1

※1 ビジネスジャーナル2014年3月22日「サッカー大国ブラジル、なぜW杯自国開催反対の動き広がる?社会問題後回しで巨額税金投入」
http://biz-journal.jp/2014/03/post_4431.html

計画がずさんであったかというと ...

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