関西を中心に光回線サービスを展開するケイ・オプティコム。2014年に全国を対象に格安スマホサービスを開始したのを機に、全国への認知拡大に乗り出した。当初は東京での知名度はほぼゼロという状態の中、どのようにメディアにアプローチしていったのか─。
地道に在京メディアを回りまずは足がかりを
Plan
格安スマホ「mineo(マイネオ)」の提供をスタートするのを機に、全国で知名度アップを図りたい
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2014年4月 ~地道にメディアを訪問し、記者に自社の事業について説明

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2014年5月15日 東京、大阪で「mineo」の提供開始について記者会見

成果
会見には34媒体の記者が参加、その後のメディアとのネットワークづくりの基盤に
事業拡大で在京メディアへ
大阪府に拠点を置き、固定回線などを展開するケイ・オプティコム。関西電力の完全子会社で、関西2府4県で光回線による固定通信サービスを展開している。関西ではNTTと並び戸建てでの光回線シェアが5割程度を占める同社では、2014年5月、格安スマートフォン「mineo(マイネオ)」のサービスを全国を対象にスタートするのに合わせ、関西の枠を超えた認知拡大を目指しPRに乗り出した。コーポレート広報チームのチームマネージャーを務める冨田和俊氏は当時をこう振り返る。
「それまでは大阪の情報通信記者を中心に回っていました。クラブにいる全国紙の記者とはリレーションがありましたが、新聞の大阪版と東京版は独立しており、大阪発の記事が全国面で掲載される機会は少ない。このため、在京メディアに新たにアプローチする必要がありました。加えて、大阪には雑誌社やウェブメディアがほぼないので、こちらも新たに関係を構築する必要がありました」。
2014年当初、関西以外では同社の社名はほぼ知られていない状態だった。さらにサービス自体の比較記事に並ぶのはシェア上位数社までだが、同社の格安スマホのシェアは10位レベル。取材の対象にはなりにくいポジショニングでもあった。
「当初は数カ月に1度、総務省記者クラブの情報通信担当記者を訪問したり、ひたすら雑誌やウェブメディア各社を訪問したりして当社の事業について記者の方に説明して回るという地道な日々が続きました。関西では知名度がある一方、サービスを展開していなかった関東地域では、当社の社名すら知らない記者の方が多く、苦労することも多かったですね。最初はPR会社にもお願いしていたのですが、PR会社に任せきってしまうと当社の中に人脈やノウハウが蓄積されないと考え、自力でのアプローチに切り替えました」。
しかし、記者の担当は、1年程度、早ければ数カ月で代わってしまうことも。数カ月に1度の訪問で、どのようにリレーションを築いていったのか。
「記者の方の署名記事をこまめにチェックして記事の感想を送ったり、サービスの近況を伝えたりと ...