メーカーのマーケティング予算がデジタル施策へとシフトしていく中で、リアルな購買の場である実店舗でのプロモーションは、体験型施策がますます増えていると感じている。それだけ直接商品に触れられる「体験の場」としての重要性も高まっているのだろう。ただし体験型施策といっても、ただ商品に触れられるだけでは買い物客の印象には残らない。商品に興味を持たせるための演出など、ひと工夫が必要だ。
驚きの体験什器
パナソニックのテレビ売場に設置されている転倒防止スタンド体験什器は、驚きを持って機能を印象付けている店頭ツールである。近年のテレビは、大型化に伴い地震などによる転倒防止対策が重要視されている。パナソニックの転倒防止スタンドは、テレビの脚と設置面を吸盤の力で強力に吸着させ、転倒を防止する機構である。その吸着力を体験できる施策がこの体験什器なのだが、一度吸着をさせると、押しても引いてもピクリとも動かない。
吸着力の強さにも驚かされるが、吸着をボタンひとつで解除すると今まで動かなかったのが嘘であったかのように動かせるようになる。まるで手品を見せられているようだ。この什器は、貼りついた吸盤の様子を確認できるように設置面が透明になっており、その下に設置された鏡によって吸着状態を見ることができる...
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