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展示方法が、ブランドになる

向坂文宏(桜美林大学)

店頭でふと目に留まったシューズのディスプレイがある。シューズの靴底同士を重ね、上下対象に空中に浮遊しているようなディスプレイだ。当初は、展示台の台座部分に鏡が置かれており、その上へ商品を置くことで浮遊している雰囲気を出しているのかと思ったが、実際にひと組のシューズの靴底を合わせて展示されていることに気づいた。この上下対象の斬新な展示方法と、なぜこのような展示を行っているのかに興味が沸き、思わず入店してしまった。

コンセプトを体現した展示

これは「On」というスイス生まれのブランドであり、最近、日本でもファンが広がっている商品だ。ブランドに込められた思いは「雲の上の走り」であり、店頭の「Run on clouds」というスローガンにもこの思いが込められている。2010年に「ランニングの世界を変える」という目標の元で生まれた比較的新しいシューズブランドで、スイスの最先端テクノロジー技術を採用することを基本コンセプトとしている。

Onのシューズの特徴はソールにある。世界特許技術 CloudTec®による、チューブのようなクッション材が並んだ独特の形状をしている。このソールが着地の瞬間に潰れることで垂直方向と水平方向の足への衝撃を同時に緩和し、雲の上を走っているような感覚を実現しているのだそうだ。

靴底を上下に重ねて浮いているように見える独特な展示方法は、ソールの穴にスチール棒を差し込むことで下の靴を支え...

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