デザインをする上で大切にしていることがある。それは、お客さまが買い物をする時に頭のスイッチをオフにしてもスッと手に取れること、そして無意識に「美味しそう」「可愛い」「楽しい」など今より少しポジティブな気持ちにさせてあげられること。少なくとも、買い物をしに来たお客さまを無駄に疲れさせてはならない。
特にここ数年の経済状況に加え、新型コロナウイルスが蔓延している現状では尚更である。人を安心させて、ホッとさせ、少し笑顔にさせてあげる力はパッケージデザインでも十分に発揮できることだ。それをクリアしているのがサントリーの商品パッケージではないだろうか。

2020年4月14日に「伊右衛門」をリニューアル。緑茶の水色(すいしょく)を体感してもらうため、同月21日からラベルレスボトルを展開。全国のコンビニエンスストア、一部交通売店にて数量限定で販売された。
「無し」でも分かるデザイン
「伊右衛門ラベルレス」の発売をCMで知った時、「とうとうやったか!」が最初の感想だった。店頭で確認すると、CMで知っていたからとはいえ、ラベルもロゴも無いのに「伊右衛門」と認識できた。少し丸みのある四角いペットボトルの中央に、ただ丸に囲まれた「茶」の文字がエンボス加工されているだけ。あとはライトグリーンのキャップのみだ。それだけなのに「伊右衛門」と分かるポイントとはなんだろう。このワクワク感と...
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