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逆風下の販促戦略

JAROなどに苦情も 新型コロナ関連の広告表現・表示の注意点

新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛の影響で、便乗表示や不謹慎な広告内容に消費者から苦情が相次いでいる。JAROや国民生活センターは企業に警鐘を鳴らしている。

新型コロナウイルスは、1月15日に国内初の感染者が発表されて以降、急速に拡大し、国内の消費動向にも大きな影響を与えた。

マスクや消毒液の需要が高まり品薄状態になっているほか、2月にはデマの影響でトイレットペーパーやティッシュペーパーも店頭から消えた。

3月になると、休校要請や外出自粛要請が出たため、航空・宿泊サービスの需要が激減する一方、巣ごもり需要が増加。通販を利用する消費者が増え、ECの在庫不足や配送遅延も深刻な問題となっている。

このような新しい消費動向に伴って、表示・広告に関する苦情も増加している。ここでは、日本広告審査機構(JARO)と国民生活センターのデータをもとに、企業の販促担当者が注意すべき点について整理する。

コロナ関連表示への苦情増加

JAROによると、2020年1月~3月に寄せられた新型コロナ関連の苦情は118件。これは、期間中のすべての苦情140件からキーワード(コロナ・ウイルス・新型・肺炎)が入るものを抽出し、さらにその中から無関係なものを除いた数である。118件のうち、効果や便乗、おとり広告など、表示に関する苦情は50件、広告表現に関する苦情は68件だった。

表示に関する苦情(図1)は、1月では0件だったが、2月に13件、3月には37件と増加した。最も多かったのが「新型コロナウイルス」と表示または暗示していると思われる「便乗」で20件。

図1 JARO 新型コロナ関連の「表示」に関する苦情(2020年1月~3月)
*違反と判断できるものだけでなく、そのおそれも含まれる
*複数の項目に関わる苦情がある
出所/JARO「新型コロナウイルス関連広告の苦情レポート」


その他「新型コロナに関する効果をうたうもの」(17件)、「対象範囲を誤認させるもの」(6件)などがあった。

苦情の対象となった商品・サービスは除菌関連商品(ソープ、消臭剤、次亜塩素酸水含む)が16件、マスクが15件...

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