商談時のメーカー営業からの提案に、どのような判断をすればよいか。売上をさらに伸ばす仕入れのために、データに基づく的確な交渉が必要だ。今回は、詰め替え・付け替え品がある生活用品の「本体」の配荷について考える。
間もなく秋の棚割商談の季節がやってくる。メーカー各社から例年通り様々な新商品が発売されることは想像に難くない。この季節は、ショッパーにとって新しい付加価値商品に出会える嬉しいタイミングだが、メーカーにとっては、棚割での生死をかけた熾烈な戦いの始まりでもある。
新規購入者を獲得するには
棚割商談では様々な戦いが繰り広げられるが、その中でも激戦のひとつに数えられるのが、主に日用雑貨カテゴリーで発生する「本体」の品揃え議論であろう。「本体」とは、シャンプーや洗剤など、詰め替え/付け替えがある商品の本体SKU(商品の最小管理単位)を指す。
新ブランド発売やリニューアル時には必ず勃発し、決着するまで相当な時間を要することも少なくない。メーカーは新商品発売時の「ブランド新規購入者」の獲得を目論み、懸命に複数の「本体」配荷の重要性を訴えてくる。仮にカテゴリー伸長に貢献できるブランドであった場合、どこまでその主張を受け入れればよいのだろうか。
今回は、毎度繰り広げられる本体の品揃えに関する議論に白黒をつけていきたい。購買データに基づき、メーカー側が主張すると思われる(1)新規購入者は本体を購入する (2)本体購入者の方がリピート効果(ロイヤルティ)が高い (3)ニーズに合わせた複数バージョンの本体が必要、という3点を検証してみた。
検証1
新規購入者は本体を購入する?
確かに多くのSKUにおいて...