アイデア家電などを企画・販売するサンコー(東京・千代田)は、巣ごもりやテレワーク需要に応える商品で反響を得ている。店舗の休業により販路が変化する中、ECを活用した販促戦略とは。
USBのマスク乾燥機がヒット
──巣ごもり需要が高まる中、自宅で過ごす時間を快適にする商品がヒットしていますね。
どうしても人との接触を避けなければいけない状況下なので“巣ごもり需要”に応える商品をメインに据えた販促活動に切り替えています。
中でも人気があるのは、最大70度の高温でマスクを乾かすことのできる「USBマスクリフレッシャーポータブル」(4月22日発売)や高画質ディスプレイゴーグル「EYE THEATER FOCUS」(4月13日発売)、Nintendo Switch用充電スタンドにもなる「アーケードコントローラーミニ」(3月18日発売)などですね。
2005年からリニューアルを重ねてきた「仰向けゴロ寝デスクシリーズ」にも再度注目が集まっています。
──サンコーは、家電事業に参入した2015年以降、かゆい所に手が届くような商品を開発し、右肩上がりに成長してきました。コロナ禍ではどのように商品開発を行っていますか。
我々は毎月10程度の新商品を発表しています。企画は、全社員(約30人)が毎週、2案ずつを出し合っています。その際、自らの日常生活における課題を拾うだけでなく「様々な立場の人になりきって考えること」を徹底しています。例えば、最短14分でごはんが炊けるヒット商品「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」は、“遅い時間に帰宅しても炊き立てごはんが食べたい”という社会人のニーズなどを想定して開発しました。
市場調査でデータを集める方法もありますが、データに引っ張られて優れたアイデアを潰してしまう恐れもあるため、実施していません。
コロナ禍でもこのようなやり方でアイデアを募り、巣ごもりやテレワークなどの社会課題にいち早く対応する商品を開発してきました。さらに、アフターコロナに向けて、新しいマーケットを生み出すような企画を考えていきます。
──類似商品はほぼありませんが、価格はどのように設定していますか。
価格設定は当社が最も重視しているマーケティング戦略です。「アイデアは面白いけれど手が出ない」とならないように、“自腹の谷”を探すことが非常に重要です。「この金額だったら購入しやすい」と思う金額の限界のところ、ということです。
──中国で生産、および中国から輸入している商品が多いと思いますが、新型コロナの影響はどのくらいありましたか。
3月中旬までは中国からの納品がストップするなど、大きな影響がありましたが...