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逆風下の販促戦略

国内外200店舗を自主休業 「おうち塚田農場」も提案

エー・ピーカンパニー

居酒屋「塚田農場」など約200の飲食店を展開するエー・ピーカンパニー。店舗休業により売上がゼロになるも、ECサイト「おうち塚田農場」が好調だ。さらに、テイクアウト・デリバリーへの業態転換で顧客拡大を狙う。

売上が6割減の大打撃

──競合他社に先駆けて4月2日からの全店舗の自主休業を発表しました。早期の決断に至った理由は。

当社は「塚田農場」や「四十八漁場(よんぱちぎょじょう)」など国内外に約200店舗の飲食店を展開していますが、原則すべて休業としました。もちろん、当該期間の店舗の売上はありません。

この決断には、当社が3月末決算であることが関係しています。元々、2019年度は勝負の年でした。当社は2017年度から2年連続赤字で、2018年度は営業利益も赤字と危機的な状況にあったためです。実際に、2020年2月3週目には計画数値の達成が現実味を帯びていました。

しかし新型コロナウイルスの影響で、2月最終週から業績が伸び悩み、前年対比で60%前後にまで落ち込みました。3月30日には、志村けんさんの訃報があったほか、小池百合子東京都知事が記者会見を開き、外出自粛に加えて夜間に営業しているバーやナイトクラブなどへの出入りを自粛するよう、都民に求めました。当社の店舗も主に夜間のみの営業なので、この要請によって、客足の減少傾向がさらに加速することが見込まれました。

そこで、翌31日に緊急会議を開き、全店休業した場合のPL(損益計算書)インパクトを算出した上で、4月2日からの全店休業を決定。同日のうちに社内告知並びに社外向けのプレスリリースも出しました。

このように、ちょうど決算が締まるタイミングだったことは、迅速な判断が可能となった一因でした。また、海外事業を展開しているため、シンガポールや香港などの状況も把握しており、早期に長期化の予測と対策、方針の軸を固めることが可能になりました。

宮崎県内の契約農家・自社養鶏場で生産している「地頭鶏(じとっこ)」

「黒さつま鶏」

生産する鹿児島県霧島市の自社養鶏場の生産者たち

ECで生産者と消費者をつなぐ

ECサイト
4月14日にECサイト「おうち塚田農場」を開設。コンセプトは「日本中のおうちを幸せにしたい。」。食材を産地から直接配送する「産直便」と、店舗で提供しているメニューを冷蔵便で届ける「家飲み便」がある。

──4月14日にはECサイト「おうち塚田農場」を開設し、EC事業をスタートしました。6次産業化を図ってきたからこその取り組みですね。

当社は、生産から流通・販売までを一貫して手がけることで、食産業における生産者・販売者・消費者のALL-WINの達成を目指してきました。ただ、今回の店舗休業の影響で、生産した食材の在庫を抱えてしまう事態が予想されました。

例えば「塚田農場」などで提供している地鶏は、契約農家が120日以上かけて育てています。ほかにも、生産者が時間をかけて育て、やっと出荷のタイミングを迎えた食材がたくさんありました。これらの在庫をどうにか活用したいと思い、直接消費者に販売するECサイト「おうち塚田農場」を立ち上げました。

サイトでは、「産直便」として「みやざき地頭 鶏炭火焼5個セット」(税・送料込3800円)や「地鶏しゃぶしゃぶ・生つくね鍋&みやざき地頭鶏炭火焼セット」(税・送料込5000円)、「最上鴨 鴨すき焼セット」(税・送料込6000円)など、当社が厳選した食材を自宅で手軽に楽しめるセットにして販売しています。また、4月23日には第2弾として「家飲み便」をスタートしました。塚田農場で提供しているメニューを、6年目になる中食事業のノウハウを活かし冷蔵便で届けるサービスです。

なお、今回迅速にEC事業を展開できた理由は...

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