全国的な外出自粛の影響で、業績悪化に苦しむタクシー業界。その状況を打破しようと、タクシー各社で買い物代行が広まっている。このサービスを早期に始めた三和交通では、高齢者などによる利用があった。

おつかいタクシーの様子。自宅まで商品や薬をドライバーが届ける。
タクシー・ハイヤーサービスを行う三和交通(横浜市)は2020年4月6日、買い物や薬の受け取りを代行する「おつかいタクシー」の運行を開始。6月末ごろまでの運行を予定している。
新型コロナの影響で外出自粛が求められる中、外出をせずに用事を済ませたい顧客のニーズを想定して企画した。運行エリアは、横浜市内(一部除く)、東京・三多摩エリア(府中、小平、八王子など)、埼玉県内(一部除く)となっている。
30分1900円の事前予約制
同社は、ゆっくり丁寧に走るタクシー「タートルタクシー」で「2014年度グッドデザイン賞&グッドデザイン・ベスト100」を受賞するなど、“地域で一番やさしいタクシー”を目指してサービスを開発してきた。「心霊スポット巡礼ツアー」や「忍者でタクシー」などユニークな企画も得意とする。
三和交通統轄本部広報の小澤千秋氏によると、同社では、売上が2月上旬と3月上旬で前年比の2、3割ほど落ち込んだ。そこで、「タクシー会社として、今できることはないか」と社内で検討し、買い物代行サービスの企画に至った。
事前予約制で...
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