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リコー、売上拡大を支援するマーケティング事業へ本格進出

リコージャパン

リコーは2015年、ダイレクトマーケティング事業を展開するインターコネクトと業務提携。全国100万事業所を超えるリコーの顧客のうち首都圏を中心に販促支援を開始した。スタッフの拡充を進めながら、新事業に挑む、リコージャパンM&S事業部マーケティングサービス推進室に方針を聞いた。

ダイレクトマーケティング分野を担うマーケティングサービス推進室。リコージャパンの新設部門で、経歴の異なるメンバーが集う。

なぜ、マーケティング支援?

オフィス向けソリューション事業を核に世界でビジネスを展開するリコーグループ。国内販売関連会社であるリコージャパンは、リコー製品を中心とした商品・サービスの提供により、顧客の経営課題の解決や企業価値の向上に貢献している。販促分野においては、チラシ、カタログ、DMのオンデマンド印刷やデジタルサイネージシステム、スマートフォンアプリの提供なども行ってきた。そして今、強化するのがダイレクトマーケティング分野への進出だ。

2015年、広告マーケティング会社のインターコネクトとリコーが業務提携した。ダイレクトマーケティングの立案から広告制作まで一貫して行うインターコネクトと組むことで、大手・中堅企業の販促・マーケティング部門へのアプローチを本格的に開始したのだ。この新事業では、クライアントが所有するさまざまな販売データ分析や販促施策の企画、最適なメッセージクリエイティブの制作、レスポンス率の向上のほか中長期的なマーケティング戦略の立案・実践も担う。リコージャパン自らが企業の販促ニーズを掘り起こすことにより、マーケティングからプリンティングまでのワンストップソリューションの提供による商用印刷市場の拡大を目指している。

ダイレクトマーケティング分野への進出に伴い新設されたのが、リコージャパンのマーケティングサービス推進室。責任者の熊谷有弘氏は、印刷事業の買収や再編に伴う新会社設立プロジェクトに携わり、商用印刷分野を切り拓いてきた人物の一人だ。「国内で100万事業所を超えるリコーグループのお客さまを中心に、ダイレクトマーケティング支援サービスを提供していきます」と熊谷氏。「困りごとがあれば、すぐ飛んでいく」営業サービス体制のきめ細やかさは、同グループ最大の強み。このネットワークを基盤に、企業のマーケティング課題を見つけ出している。

「これまでプリンターやサーバーなど有形の商品や関連サービスを通じて、業務改善や効率化をサポートしてきました。しかしお客さま1社1社と寄り添う中で、もっと直接的にビジネスの成功や拡大のお役に立てないかと考えるようになりました。企業と消費者をつなぐ接点は、ネットやモバイル機器の普及により、激変しています。それに伴い、売上拡大のため、消費者一人ひとりとダイレクトにつながり、最適なアプローチをしたい、という企業のニーズも高まっています。そこで私たちは、『売る』専門家の集まるインターコネクトと提携し、新事業をスタートしたのです」。

リコージャパン 産業ソリューション事業本部 M&S事業部 事業部長 熊谷有弘(くまがい・ふみひろ)氏
1986年リコー入社。主にオフィス複合機の設計支援システムの企画開発と設計生産情報データベース構築に従事。その後、販売部門(現リコージャパン)に異動し、レーザープリンターのプロモーション、業種ソリューション事業の推進などを経て、2011年、プロダクションプリント事業の新会社設立プロジェクトに携わる。12年よりダイレクトマーケティングに取り組み、16年4月より現職。

提案力+実践力を備えた人創り

これまでリコージャパンでは、例えばDM(ダイレクトメール)の提案であればオンデマンド印刷環境の構築や経費削減といった範囲でビジネスを支援してきた。だがマーケティングサービス推進室ができたことで、クライアントのターゲット顧客の意識変容や購買行動に合わせたDM内容の提案、上質なブランド体験を届ける質感の高い紙の選定、eDM(メルマガ)と組み合わせたマーケティングオートメーションのシナリオ設計など、戦略やクリエイティブ提案も可能になっている。

「インターコネクトとともに経験を積むことで、理論と経験値に裏付けされた実践的かつ有効的なプランを提案できる社員の育成を進めています。目指しているのは『ここまでやってくれるのか!』とクライアントに感動してもらうこと。期待を大きく超える提案ができる集団に成長させたいです」と熊谷氏は意気込む。

マーケティングサービス推進室が、提供するサービスは、オンライン・オフラインは問わない。クライアントの課題が「新規顧客の獲得」か、「顧客のロイヤル化」かによって、打ち手も変わるからだ。推進室のメンバーも、クライアントの課題を発見、提案できる「事業パートナー」となることが求められている。クライアントからは、デジタル分野の要望も少なくない。例えば「顧客の興味関心に合わせて見込客にアプローチしたい」企業に対しては、チラシの一部をスマートデバイスで撮影するだけで特設サイトに誘引できる販促サービスアプリの導入を提案。ウェブアンケートや、ページアクセスの行動履歴データを収集し、ターゲットの興味関心別にメッセージをプッシュ通知、見込客の関心度合いに応じて、限定コンテンツをセグメント配信する─。リコーの持つICTテクノロジーを活かしたこうした提案が始まっている。

またグループ社内で実践されたノウハウを蓄積し、クライアントの課題を解決する動きも進む。マーケティングオートメーション(MA)もその一つだ。例えば「eDMが読まれておらず、MAを導入した意味がない」という課題に対しては、eDMとOneto One DMを組み合わせたシナリオを設計。リピートの見込みがありながらもeDMは開封しない可能性がある層には、リッチな紙DMで購入金額に合わせたオファーを付ける、といった具合だ。リコージャパンでは、こうしたダイレクトマーケティングサービス事業を核に、まずは東京23区と神奈川県からサービスをスタート。全国へと拡げたい考えだ。

リコーならではのマーケティング支援

マーケティングサービス推進室では、クライアントの課題に合わせた打ち手を実践していく。ここではその事例を見ていこう。

リコージャパン
産業ソリューション事業本部 M&S事業部
マーケティングサービス推進室 DRMコンサルグループ
アシスタントマネージャー
沖本篤史(おきもと・あつし)氏

2004年リコー入社。SEとして、クライアントの課題に応じた業務アプリの開発や、複合機のソリューション提案を行い、その後、09年からプリンティングソリューション営業職を担当。13年より、マーケティングサービス推進室を兼務。中堅・大手流通・サービス企業の販促・マーケティング部門向けに売上拡大をサポートする提案活動を日々行っている。

感動を呼ぶ提案を目指す

プリンターなどの機器や関連サービスを提案する際は、経費削減がお客さまの主な課題でしたが、マーケティングサービス推進室で行うのは、売上拡大の提案。当然商談の内容も変わります。まずはお客さまの話をしっかりと聞き、課題を見つけるところから始まります。ネットワークを生かし多様なお客さまに会えるのはリコーならではの強み。困りごとに対し「それはできません」と断ることなく、さまざまな提案ができるのが、この仕事の面白みです。あるケースでは、パンフレットの改善で新規会員の獲得を提案したことから始まり、最終的には業務用プリンターの導入による内製化までつながったこともあります。配属当初は、インターコネクトのメンバーに同行してもらいながら経験を積んでいましたが、今ではクライアントの立場に立って意見したり、議論したりできるようになってきました。提案する内容の幅も広いので、チームメンバーで助け合いながらプランを練っています。「こんな提案は初めて」とクライアントに喜んでもらえるソリューションを提示したいです。

    お問い合せ

    リコージャパン株式会社
    産業ソリューション事業本部 M&S事業部 マーケティングサービス推進室
    〒108-0023 東京都港区芝浦4-2-8 三田ツインビル東館9階
    TEL.050-3534-2106
    http://drm.ricoh.jp/

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